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図説 室町幕府 丸山裕之

 足利尊氏にはじまって、足利義昭に終わる。
 室町幕府の姿をトピックスごとに整理した本。
 室町幕府の歴史もそれなりに長く、時代時代(というより将軍)によって、変化している部分もある。その横糸をつなげて見るためには多少難しいところもあるが、非常にわかりやすくまとまっている本だった。

 幕府側からみれば、ともかく鎌倉府の動きが厄介で、常に中央の権力から離れようとする遠心力が働いている。
 鎌倉に幕府を置けなかった反動ともいえるが、実際に鎌倉を本拠にしていたら、今度は畿内が落ち着かなかったかもしれない。江戸幕府は室町幕府のそういう反省をふまえて成立していると考えると、さらに興味深い。

 室町幕府の収入源は金融業者への課税が大きなボリュームを占めていたらしく、それを徳政令でつぶしてしまってからは、どんどん財政的な裏付けを失っていったようだ。でも、徳政令を出さなければ民衆から見限られて、もっと早くに命脈が断たれていたかもしれない。国家経営の道は厳しい。
 財政管理まで民間業者に任せていたところはヨーロッパの王家を連想させるものがあった。

 将軍についてはほとんど知らなかった将軍でも、新しいことを試みていることが分かった。足利義教が目立つが、他の将軍もおもしろい。
 合戦・政争のまとめでは、内乱がけっこう起きていて、室町幕府が順調な時代は、それを圧倒的な兵力で押しつぶすような戦いができていたことも分かった。
 半将軍、細川政元のクーデターがエグい。
 すっきりまとめられると問題児の足利義政が割とまともに見えてしまう点は注意が必要だろう――もともと著者はかなり義政に同情的な様子。

関連書評
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足利義政と日野富子 田端泰子

図説 室町幕府
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