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世界史リブレット100 ムハンマド時代のアラブ社会 後藤明

 コーランを純粋な史料として見ると、とても面白い!
 記録されたムハンマド周辺の情報から当時のアラブ社会の実像がみえてくる。女性も子供も個人と神が一対一で対峙して契約を結ぶ社会という解釈は今のサウジアラビアではとても受け入れられそうにない。どうしてこうなってしまったのやら……。
 きちんと処理していけば、イスラム教こそ現代に適応できそうな宗教に思えてきた。中途半端に適応できてしまうから足かせになっている可能性もある。

 他の本による知識から「クライシュ族」という部族がいたと思っていたのに、本書の解釈ではそんなに明確な枠組みはなかったとされているのも新鮮だった。
 名祖から逆算して「まとまり」が考えられていることを覚えておきたい。見た目だけは天皇家から臣下にくだった時に姓をえる感じに似ていると言えなくもない。

 商人の都市メッカとオアシス農業の地域メディナの対比も興味深かった。ムハンマドが来るまでのメディナが殺伐としまくっていて、地域によってはアラブ社会が苦しんでいたこと、だからこそムハンマドが台頭できたことも分かった。
 ユダヤ人の打出の小槌あつかいは地中海の東西を問わないのだな……。

関連書評
イスラーム歴史文化地図 マリーズ・ルースヴェン+アズィーム・ナンジー
地図で見るアラブ世界ハンドブック マテュー=ギデール

ムハンマド時代のアラブ社会 (世界史リブレット)
ムハンマド時代のアラブ社会 (世界史リブレット)
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