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世界史リブレット71〜インドのヒンドゥーとムスリム 中里成章

 もちろんイギリス人のせい――分断し統治不能になったら投げっぱなし。まぁ、あらがいたがい歴史の大きな流れもあったであろうが、それに抵抗する姿勢を示せたとも言えない。
 鋭い対立を続けているインドのヒンドゥーとムスリムの関係を共生していた時代から遡って紹介してくれるリブレット。現在はヒンドゥーナショナリズムが猛威をふるっているが、先に先鋭化したのはムスリムの方かもしれないことなど、興味深いものがあった。
 ムスリムなのにカーストがあるような生き方をしている人たちがいたり、ヒンドゥー・ムスリム双方から(そして女性からも)弟子をとるバウルという人々がいたり、インドの宗教事情は非常に複雑な色彩を帯びている。

 余談的なあつかいながらスィク教徒が打ち立てた強大なスィク王国のことも気になった。偉大な指導者が死んだ後の混乱をイギリスにつけこまれて戦争で滅亡したあたり、ズールー王国に似ている。
 やつらはいつでも自分たちが有利なときに侵略戦争をしかけられるからなぁ。情報量の圧倒的な差がつらい。
 インドのムスリムについて間違ったイメージを流布し、分断主義的な提言をしたイギリスの官僚W・W・ハンターの名前を悪い意味で覚えておく。

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インドのヒンドゥーとムスリム (世界史リブレット)
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