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フィールドの生物学19〜雪と氷の世界を旅して 植竹淳

 究極の環境である氷河の上にも実は生息する生物がいた。著者は世界をまたにかけて、それを追いかける奇特な研究者。
 進路に迷っていた大学4年生時代から、研究者として独立した現在までにいたる著者の足跡が記されている。南極のコケに住み着いている菌がいて、それを追いかけている人の本は読んだことがあったが、氷の上に直接生きている連中までいるとは驚きだった。
 氷河や氷床はよくみる衛星画像の白や青ばかりじゃなくて、微生物により赤(緑や黄色もあるらしい)に染まる場合があるのだ。
 生き物の大半は微生物だが、コオリミミズなる動物も北米大陸にはいるらしいし、コケが特殊な形態で生きている場合もあった。

 氷河の後退を防ぐためにコオリミミズを旧大陸に導入したら、微生物を食べることで氷河のアルベドを改善してくれないか?昼は氷雪の下に潜んでいるのでコオリミミズがアルベドを下げることはない。
 まぁ、ただでさえ繊細な生態系を激変させるような外来生物の導入が今時できるとも考えがたいけど、アフリカの熱帯氷河はどちらにしろ消えてしまいそうだ。

 著者たちの圧倒的な行動力は我が身と比べて溜息が出るほどだった。人によっては、これだけ世界を動き回れるのだと、子供たちにはできるだけ若いうちに知ってもらいたくなる。

関連書評
菌世界紀行〜誰も知らないきのこを追って 星野保:行動範囲が重なっていそう
雪と氷の図鑑 武田康男

雪と氷の世界を旅して: 氷河の微生物から環境変動を探る (フィールドの生物学)
雪と氷の世界を旅して: 氷河の微生物から環境変動を探る (フィールドの生物学)
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