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絵でわかる地球温暖化 渡部雅浩 講談社

 表紙は色彩に乏しいのに中身にはカラーがふんだんに使われている本だった。カラーをたくさん使わないと表現できないほど取り扱っている情報の量が多い。また、予測に不確実性が存在するために多数のシミュレーションを同時に表示したがっていることも多色化への要求を強めている。
 昨今の異常気象も専門家に言わせてみれば地球温暖化が原因とは言い切れないらしい。わかりやすい一部の極端な意見に飛びついてしまったら、温暖化懐疑論者と変わらないことになってしまう。
 それがわかっても慎重に腑分けする気持ちを持ちにくいのは、人はいろいろな問題を複数抱えていて、簡単な答えで負荷を軽くしたいと無意識に思ってしまうせいかな。
 多少のストレスがあっても慎重な発言を心がけたいものだ。

 懐疑論者のおかげで議論が深まっている一面も見られるものの、彼らの存在はやっぱり厄介なものに思えてしまう。自分の信じたいことを補強できる情報だけに飛びついて全体から目を逸らしているのではないか。あるいは懐疑論者そのものが入れ替わっているか、だが……?

 地球に働く四つのフィードバック、「プランクフィードバック」「氷-アルベドフィードバック」「水蒸気フィードバック」「雲フィードバック」くらいは覚えておきたい。
 雲フィードバックが難しいことは昔から変わっていないけれど、高層の雲と低層の雲の違いは昔読んだ本にはなかった。少しずつでも研究が進展していることが分かる。
 簡易的な温室効果の計算方法をコラムでわかりやすく解説してくれているのも良かった。

 シミュレーションを用いた予測の話も興味深かった。精度のいいモデルを求めて各国がしのぎを削っているものの、万能のモデル完成には先が遠い様子。
 計算のメッシュを細かくすることにも限界がありスーパーコンピューターによる計算が万能ではないことが分かった。むしろ、現実の観測との二人三脚があって、はじめて有効に機能する。観測の方もシミュレーションに支援されている面は多々あるのだろう。

関連書評
+6℃地球温暖化最悪のシナリオ ナショナルジオグラフィックDVD
気候大異変〜地球シミュレータの警告

絵でわかる地球温暖化 (KS絵でわかるシリーズ)
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カテゴリ:科学全般 | 21:39 | comments(0) | trackbacks(0)

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