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ギリシャ・ローマの戦争 ハリー・サイドボトム

 吉村忠典・澤田典子 訳
 欧米で話題になっている「戦争の西洋的流儀」なる学説に対して、著者が独自の視点から検討をくわえた本。ハリソン氏の「戦争の西洋的流儀」については最後に訳者が解説してくれている。
 キーガン氏の「一般兵士の立場からみた戦場」の研究なども取り入れて、古代人の心性と世界観に迫っている、らしい。

 それぞれの章で興味深い議論が展開されていたが、慎重ゆえに強い印象には残らない。「戦争の西洋的流儀」ドグマほど乱暴でないための弱点かもしれない。
 まぁ、完全に対立する意見ではなくて、実体よりもイデオロギーとして、「戦争の西洋的流儀」はあったというのが著者の意見であるらしい。

 エブロネース族とローマ軍の戦いは、経過説明でありながら生き生きとしていて、アドレナリンを分泌させるものだった。
 カエサルによる指揮官の資質の考え方が詳細に分析されていて興味深かった。将軍に求められる役割は時代によっても地域によっても変化して、単純ではない。
 文句のない結果を出し続ければ価値観そのものを変化させることも可能であるから、なおさらだ。


 「戦争の西洋的流儀」のハリソン氏については、後から現代の政治についての余計な意見を述べたことで自分の成果すら台無しにしている感じがしないでもなかった。
 彼がブドウ農家をやっているカリフォルニアは、古代ギリシャ・ローマと同じ地中海性気候でもあるのだな。

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ギリシャ・ローマの戦争 (〈1冊でわかる〉シリーズ)
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