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オスマン帝国の近代と海軍 小松香織

 世界史リブレット79
 地中海の覇者から、ボスポラス海峡を塞いでくれればいい存在まで。
 オスマン帝国の衰退にあわせて力を失っていったオスマン帝国海軍の物語。ドイツの軍艦を購入したことが、オスマン帝国を第一次世界大戦に引き込んだところもあるので、最後は軍事が政治を優先させて道を誤らせてしまった感じがある。

 いつのまにか海賊の採用が中心じゃなくなったオスマン海軍にとって「ルーム」と呼ばれるギリシア系住民の雇用が非常に大きな意味をもっており、ギリシアの独立は致命的な影響を与えていた。
 オスマン陸軍にとって騎兵の供給源であったクリミア・ハン国が脱落したことで深刻な影響があった現象に似ている。他民族国家の有利を享受していた国が、民族主義の高揚によって受けるダメージの深刻さが伺われる。

 古代ローマ人じゃないけれど、餅は餅屋に任せっぱなしで、海岸に進出したから漁業や通商にも挑戦してみるとはならないのだなぁ。
 深い部分でのアイデンティティの問題が関わっていそうだ。まぁ、どうしても自分たちでやるしかないとなればやれるのだが……。

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オスマン帝国の近代と海軍 (世界史リブレット)
オスマン帝国の近代と海軍 (世界史リブレット)
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