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古代地方木簡のパイオニア 伊場遺跡 鈴木敏則 遺跡を学ぶ127

 地方でありながら100点を超える木簡が出土した静岡県浜松市の伊場遺跡。砂丘上に位置した長い歴史をもつ遺跡から、律令国家の地方支配体制が見えてくる。

 陶枕が寝るときの頭にする枕じゃなくて、筆記時の腕おきであることを初めて知った。昔の人は固い枕で寝ていたから陶器製もありえると、固い頭で思いこんでいた。
 木簡を通じて古代の人名をいくつか具体的に知ることができて、彼らの実在と個性を意識した。特に稲の字が図形的な「稲万呂」は強烈な印象を与えてくれる。
 筆者の予想通りに「稲万呂」が商人だったなら、さすがに商人は古代からブランド化の意識が高かったのかもしれない。

 律令制による負担をかけられた農民の姿も、克明な税の記録から見えてきた。農民の織機では規格の幅をもった布を作ることができず、遺跡から出土した織機で特別に製造されていたらしいことは興味深かった。
 実際は不明ながら、中世ヨーロッパにおける水車小屋と小作農民の関係を想像してしまう。

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古代地方木簡のパイオニア 伊場遺跡 (シリーズ「遺跡を学ぶ」127)
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