<< 古代地方木簡のパイオニア 伊場遺跡 鈴木敏則 遺跡を学ぶ127 | main | 紀国造家の実像をさぐる 岩橋千塚古墳群 丹野拓・米田文孝 遺跡を学ぶ126 >>

縄文の女性シャーマン カリンバ遺跡 木村英明・上屋眞一

 遺跡を学ぶ128
 北海道の石狩低地帯に位置する恵庭市から発掘された漆細工の装飾品が副葬された縄文時代の墓の数々。意外と色鮮やかな縄文時代の服飾が蘇ってくる。

 人骨は歯が少し残っている程度でも、漆はしっかり残っている。恐ろしく耐環境性の高い物質だ。樹液を元にする意味では琥珀に近いだけのことはある?漆紙文書が残っている理由もよく分かった。
 復元イラストになった漆の装飾品をつけた女性のファッションは、現代人がみてもオシャレに感じそうなものだった(自分はオシャレに感じるが、自分のセンスがあまり信用できない)。
 復元図通りに白い布地に赤でポイントをとっているなら、神社の巫女装束にまで通じるものがある。呪術的な意味合いがある鮫の歯が組み込まれているところは流石に縄文時代だった。

 合同葬が行われた謎には、病気による一家全滅的なものを想像していた。しかし、それでは整然と葬送をおこなうことは難しく住居ごと焼き落とすなどしそうだ。
 著者の殉葬説には説得力を感じた。ポリネシアの戦士が殉死者と一緒に葬られている例もあるし、縄文時代段階で殉葬がおこなわれていても個人的に違和感はない。
 個人的には「人身御供」の可能性も考えた。気象環境が厳しく、そのため社会の主導権が男性から女性にうつった可能性があると著者は述べているが、厳しさに対応するための名誉ある生け贄にされてしまった可能性はありえないのかなぁ。まだまだ縄文社会の知識が足りない。

関連書評
北の縄文人の祭儀場〜キウス周堤墓群 大谷敏三
北方古代文化の邂逅〜カリカリウス遺跡 椙田光明
北辺の海の民〜モヨロ貝塚 米村衛

新泉社 遺跡を学ぶシリーズ感想記事一覧

縄文の女性シャーマン カリンバ遺跡 (シリーズ「遺跡を学ぶ」128)
縄文の女性シャーマン カリンバ遺跡 (シリーズ「遺跡を学ぶ」128)
カテゴリ:日本史 | 12:28 | comments(0) | trackbacks(0)

スポンサーサイト

カテゴリ:- | 12:28 | - | -
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://sanasen.jugem.jp/trackback/3613
トラックバック