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戦国時代の天皇 末柄豊 日本史リブレット82

 非常に苦労していた戦国時代の天皇と朝廷の姿を描き出したリブレット。さすがに天皇本人が困窮していたわけではないが、非常にお金のかかる儀式がいつまで経っても行えない問題に直面している。
 合理主義にまみれた目から見れば、略式にしまくれば良さそうなものだけれど、宗教的なこだわりが入っているので前例を踏襲したがるのも無理もない。彼らは中世の人たちなのだ。

 戦国時代の天皇が三代つづけて死ぬまで在位していたことは古代以来であり、次に死ぬまで三代つづけて在位したのは明治、大正、昭和ということに驚いた。
 そして、現代も四代続けてにはならないわけである。
 本人にとっては大変でも、戦国時代の天皇が長命でつとめあげたことは、朝廷の維持に貢献したであろう。単純に夭折する天皇が続出するだけでも財政的に立ち行かなくなってしまうし、長生きしたことで個人的な崇敬を受けることができたはず。
 それにしても、朝廷の土地でも押領してしまう武士たちは遠慮がない。歯止めが利かなくなった自力救済の世界はおそろしい。

 最後に出てきた壬生家と大宮家の朝廷内における争いも印象的だった。戦国大名からみれば小さな争いでも、本人たちは生き残ろうと必死だったに違いない。
 大宮氏が天皇に命じられて疎開させた文書の管理が悪く、盗難にあったことは非常に残念だ……。

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戦国時代の天皇 (日本史リブレット)
戦国時代の天皇 (日本史リブレット)
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