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悟浄歎異―沙門悟浄の手記― 中島敦

 沙悟浄の視点からみた三蔵法師一行の姿。特に生命力あふれる悟空の姿を鮮やかに活写した作品。
 孫悟空と牛魔王の戦いに関する迫真の描写がすごかった。でも、元ネタに準拠したものでオリジナリティは低いのかな?教養が足りないので何ともいえず、もどかしい。
 頭でっかちで実行が追いつかず傍観者に甘んじている沙悟浄の立場にはなかなか共感させられる。中島敦の時代から、我々もあまり成長がないようだ……。

 享楽主義者にみえてどこか影があるらしい猪八戒の人物描写も巧みであり、彼らが妖怪変化のたぐいであることを、ついつい忘れてしまい、人間のキャラクターよりも人間に感じてしまっている自分に気がつく。

 そして一行で唯一の人間である三蔵法師は、といえば妖怪にもなかなか到達できない心の境地に到達した人物として描かれていた。
 悟空も三蔵法師もそれぞれの世界で「無敵」になっていて羨ましい限りだ。

青空文庫
中島敦 悟浄歎異 ―沙門悟浄の手記―

悟浄歎異 ―沙門悟浄の手記― (字が大きくハッキリ見えるシニアの目にやさしい)
悟浄歎異 ―沙門悟浄の手記― (字が大きくハッキリ見えるシニアの目にやさしい)
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