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近代中央アジアの群像〜革命の世代の軌跡 小松久男

 世界史リブレット人080。
 本文の上に表示される人物略歴の生没年が怖すぎる。だいたいスターリン時代に粛清されて死んでいる人物が延々と連なっていて「革命の世代」が経験した過酷な軌跡がよくわかる。
 中央アジアのイスラム教徒にかぎらず、ロシア人の異民族文化研究者も容赦のない弾圧を受けている。
 知識人層の排除による支配体制という意味でも、ソビエトは現代中国の先を行っていたのだな……酷い政策にさらされた立場の人々が残した経験は、現代においても貴重である。

 革命期ロシアの状況は猫の目みたいに激しく変化していて、自分がこの渦中にあったら、正しい判断ができる自信がまったく持てなかった。最善の判断をしたと思われる人々すら、スターリン時代になってしまえば粛清の対象なのだから……。

 アタチュルクのライバルだったエンヴィル・パシャが人生の最後においてロシア内部のテュルク民族の闘争に関わっていたことが分かって、ロシアとトルコの歴史的な距離感が少しだけつかめた。
 4人の主人公で一人だけ生き残ったヴァリドフも最初の亡命先はトルコだったわけで、やはり黒海を挟んで向き合っている両国は縁が深い。

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近代中央アジアの群像: 革命の世代の軌跡 (世界史リブレット人)
近代中央アジアの群像: 革命の世代の軌跡 (世界史リブレット人)
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