<< ゲド戦記 最後の書 帰還 ル=グウィン | main | 特型噴進弾「奮龍」戦記1〜空母蒼龍ソロモン迎撃作戦 林譲治 >>

ルソン島 戦場の記録〜たたかいと飢えの中を生きて 沢田猛

 1945年、日本が敗北していく中で戦場となったフィリピン、ルソン島での日々を学徒であった中村昌夫氏が記録に残したものをまとめた冊子。ともかく酷い負け戦でアメリカ兵の姿もほとんど目にせず逃げ回っている様子は戦闘と呼べるのかも疑問だ。いくら軍隊の行動の大部分が移動と補給に費やされるといっても、常軌を逸した強行軍と野生化したサツマイモ掘りを軍事行動といってよいものか。
 そこまでして彼らが5倍のアメリカ軍に立ち向かわなければならなかった理由は何なのか。憤りを帯びつつ考えずにはいられない。
 せめて捕虜に取られることを恥とする考えがなければ、野戦病院から動けない人間を殺さずにアメリカ軍に任せあれていれば、と思うだが、悪い方へ悪い方へと転んでいくものだ。

 戦闘状況の描写はP38がエンジンを切って爆撃をしかけてくるところから、狙撃された同期生の運命まで精緻で怖いくらいリアリティに富んでいた。M4シャーマンが第二次世界大戦を決定した兵器と言い切るのは微妙なところはあるものの、太平洋戦線での威力は非常に大きかったことは間違いあるまい。

 捕虜たちがフィリピン人から石を投げられていた記述もショックだった。彼らの土地を戦場にしたうえに敗北側となれば、それが帰結なのだろう……。

ルソン島戦場の記録―たたかいと飢えの中を生きて
ルソン島戦場の記録―たたかいと飢えの中を生きて
沢田 猛
カテゴリ:歴史 | 12:21 | comments(0) | trackbacks(0)

スポンサーサイト

カテゴリ:- | 12:21 | - | -
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://sanasen.jugem.jp/trackback/364
トラックバック