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11の化石生命誕生を語る[古生代] ドナルド・R・プロセロ

 化石が語る生命の歴史シリーズ1巻。江口あとか訳。
 シリーズ1巻というか、一冊の英著が三分割されたうちの一冊目である。古生代の重要な化石について、研究史込みで紹介している。この分野での重要な研究者がわかる。著者がその列にくわわっていることも。

 印象に残るのはいわいる「カンブリア爆発」の否定であり、著者は数千万年にわたって、ゆっくり進行した変化であると主張している。魚による陸への上陸にも同様の主張がみられた。トビハゼかわいい。
 疑似的に大きな変化がみえてしまうのは、化石の世界ではいかにもありそうなことだ。考古学の世界にも同様の事例があるかもしれない。

 節足動物に比べれば脊椎動物なんて大したことないよ〜と途中で説明しておいて脊椎動物の話が多いのは「商業的理由」らしい。シリーズの最後をホモサピエンスに持って行っているなら仕方ないところはある。
 節足動物が最も繁栄しているなら現代の節足動物を最終章の主人公にした古生物本があっても良さそうではある。案外、聖書の影響もあるのかなぁ。

 訳者はアメリカで著者の地球史の授業を受けたことがあるだけあって、地球科学に堪能で、翻訳にアラがなかった。あえて注文をつけるなら著者があげている博物館に、日本の博物館を追記してほしかった。
 愛知県蒲郡市の生命の海博物館や岐阜の最古の石博物館は、なかなか注目だよ。

関連書評
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11の化石・生命誕生を語る[古生代] (化石が語る生命の歴史)
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