<< タガメとゲンゴロウの仲間たち 市川憲平 | main | 9.11生存者が語る真実 ナショナルジオグラフィック >>

化石の分子生物学〜生命進化の謎を解く 更科功

 化石の中から分子生物学的な証拠を見つけようとした科学者たちの物語。はたしてジュラシックパークは実現可能なのか――本書を読んだ感想では不可能といわざるをえなかった。
 まず、確実に恐竜のDNAと言えるものがみつかっておらず、今のところでている報告には否定的な反論が集まっている。琥珀の中についても厳しいようで唸ってしまった。
 さらに塩基配列が得られたとしても、古生物の場合は短くなってしまっていることが通常であって、完璧なDNAには程遠い。仮に古生物のゲノムを完全に得ようとしたら、どれほど大量の保存状態が特別な化石が必要か、わからない。
 残念なことだが、本書で紹介されたようなブレイクスルーが、再び起こる可能性に期待しておくことにした。少なくとも今後も挑戦する研究者は絶えないものと思われる。

 恐竜ほど古くない化石については分子生物学的な情報が得られていて、いろいろ興味深い「証拠」を積み上げてきている。北海道の縄文人遺伝子など、知らないことが多かったので勉強になった。何より読みやすかった。
 有名なミトコンドリア・イブの理屈も覚えておきたい。

関連書評
生痕化石からわかる古生物のリアルな生きざま 泉賢太郎
フィールドの生物学19〜雪と氷の世界を旅して 植竹淳

化石の分子生物学――生命進化の謎を解く (講談社現代新書)
化石の分子生物学――生命進化の謎を解く (講談社現代新書)
カテゴリ:古生物学 | 19:42 | comments(0) | trackbacks(0)

スポンサーサイト

カテゴリ:- | 19:42 | - | -
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
トラックバック機能は終了しました。
トラックバック