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江戸大名のお引っ越し〜居城受け渡しの作法 白峰旬

「12回引っ越した家もあった!」と表紙についている。譜代大名の方が転封が多くて驚くほど多くの「引っ越し」を経験している。これは幕末における譜代大名の幕府に対する忠誠心に影響はあったのだろうか?
 その分析はなかったけれど、転封が幕府にとって非常に重要な意味をもったセレモニーであったことは詳しく分析されていた。大名たちの城はあくまでも幕府の持ち物であって、そこを押さえている大名は幕府から一時的に城を預かっているに過ぎない。
 巨大な外様大名に対しては名目的な部分もあるが、譜代大名に対しては厳しく貫かれている原理だった。外様大名も改易時の城受け取りからは逃れられない。

 徹底的な事前打ち合わせによって、引っ越しそのものは短期間で完了していることも興味深い。現代の打ち合わせも無駄に長ければ、実行もやたらと時間が掛かる官僚の仕事と比較してみたくなってしまった。
 先格と呼ばれる先例主義が強かったことも間違いないが。

 巻末近くにある大名の「居城」と「居所」一覧も、とても興味深い。実高は幕府にかなり把握されているんだな。前田家の実質160万石は流石だった。利家が秀吉没後に家康と睨み合っただけのことはある。

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戦国大名の兵粮事情 久保健一郎 吉川弘文館

江戸大名のお引っ越し (新人物ブックス)
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