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名画で読み解く ブルボン王朝12の物語 中野京子

「バスティーユの司令官が殺害され、首が槍先に刺されてパリ中にさらされております」
「それは反乱ではないか」
「いいえ、陛下、革命です」
 ツヴァイク「マリー・アントワネット」における臣下とルイ16世の会話

 悲劇と喜劇に包まれたフランス、ブルボン王朝の物語。最初にフルカラーの絵画が紹介されて、それをとっかかりに話が展開していく。ちょっとだけスペイン・ブルボン王朝の出番もあった。
「鈍感で、何もせず、嘘つきで、卑しくて、腹黒く、(中略)読まず、書かず、考えず、要するに無です」スペイン王フェルナンド7世について(最初の王妃が実母向けの手紙で)
 という感じだったが……。

 スペインより豊かなフランスのブルボン王朝本家が滅びたのは皮肉な話だ。先進的な土地だったゆえに歴史の流れも早く王家に襲いかかったと言えるかもしれない。ただし、農業は遅れているとイギリスの農学者に言われたエピソードも本書には出てくる。

 なんといっても太陽王ルイ14世の与える印象が強い。自分以外には運営できないシステムを構築してしまって後継者の首を絞める残念な独裁者の一人でもあるが。もっとも子供どころか孫にまで自分より早くに死なれて思い通りの引継ができなかった点は同情する。
 ルイ15世の女狂い、ルイ16世の読書家ぶりも「個性」となって物語を彩ってくれた。きっと同時代人には堪えられないけどな。

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フランス王朝史1〜カペー朝 佐藤賢一
カロリング帝国の統一と分割「ニタルトの歴史四巻」

名画で読み解く ブルボン王朝 12の物語 (光文社新書)
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