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撃滅北太平洋航空戦・下 谷甲州

 作品世界初の空母機動部隊戦!?
 クエスチョンがつくのは攻撃機があまりにも特殊すぎるのと攻撃を受けたほうに対艦攻撃の意図がなかったことだ。もしもエンタープライズが対艦攻撃の意図をもっていたら史実ミッドウェーのような惨状になって沈んだかもしれない。
 そのようなダメージコントロールの戦訓を与えてしまった点では多少のマイナス面もなしとはできない戦いだ。まぁ、日本側のえた戦訓はアメリカとソ連を遥かに凌駕しているが――でなければ血を流した甲斐がない。

 何にしても実にフラストレーションがたまるアメリカの侵略行為に起死回生の奇手が炸裂した快感は素晴らしい。その後のソ連哨戒機と米軍駆逐艦の戦闘があまりに戯画的で実際に目の当たりにしたかのような気になった。
 これで対ソ支援が低調になるとすれば海兵隊の働きは真珠湾奇襲攻撃以上に第二次世界大戦の帰趨に影響を与えて行くかもしれない。日本の対独同盟をご破産にしながらジューコフを抹殺したり、ソ連の兵力を極東に引きつけたりするところに谷先生のツンデレ的態度を感じてしまう。

「べ、別にアンタのために極東ソ連軍を引き付けて、あげたわけじゃないんだからねッ!」

 まぁ、それは照れではなく本当のことで北満州油田を焦点に降りかかる火の粉を払っていたら偶然ドイツの利益にもなっていだだけだ。国際情勢はすべてが関連して孤立なんてものはない。生態系にも似た相互作用の積み重ねなのだ。

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撃滅北太平洋航空戦―覇者の戦塵1942 (下)
谷 甲州
カテゴリ:架空戦記小説 | 12:09 | comments(0) | trackbacks(0)

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