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急進真珠湾の蹉跌 谷甲州

 史実の半分、空母加賀、翔鶴、瑞鶴で行われる真珠湾気球攻撃、もとい奇襲攻撃。少ない兵力ながら史実に大きく劣らない成果をあげているように見える。それどころか空母機動部隊戦もこなして史実では最後まで生き残ったレディ・サラをそうそうに叩きのめしている。
 なんだかんだで西巻少尉の魚雷攻撃が成功した事が戦局に大きく寄与しているようだ。伊75潜の史実に順じた化物じみた戦果もふくめて潜水兵科の活躍が目立ってきた。紛争の解決にはあまり有用ではない艦だが、実戦となればこれこの通り、第二次世界大戦を支配した二大兵器の内の一方だ。
 それにしても西巻少尉の僥倖は凄まじい。通常なら三回から四回は死んでいる状況で生還している――海のルーデルか?海のガーデルマンこと稲垣兵曹も憐れだがタフだった……。

 そしてこの世界では戦艦大和が廃案にされて防空巡洋艦荒島級が建造されていることが明らかになる。あのスペックを防空巡洋艦というのは卑怯だ……同類だと思ってアトランタ級が殴りかかってきたら可哀相な事になるじゃないか。
 まぁ、荒島級もアイオワ級に遭遇すると悲惨なわけだが、航空戦主体が板についているこの世界の日本海軍ならやっても夜戦までなので、砲火力の不足は致命的にならないか。間違いなく水雷が有力な傾向があるし。
 しかし、個人的には荒島級の大量建造よりも航空母艦の追加がほしかった気がする。翔鶴級の三番艦と四番艦があれば機動部隊を二分しての運用に無理がなくなる。問題は搭乗員の養成だが、海兵隊がやっていることを参考にすれば何とかなったはず。そこは開戦劈頭の戦いで被害続出したこの世界の日本海軍も考えてくれると期待する。
 電探と使える無線があれば……。

 挿絵で話の中では名前が少し出てきただけの蒼竜、飛竜が描かれていた事に違和感があった。それならノースカロライナ級戦艦や荒島を描いてほしかった。ちょっとちぐはぐなのである。

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急進 真珠湾の蹉跌―覇者の戦塵1942
急進 真珠湾の蹉跌―覇者の戦塵1942
谷 甲州
カテゴリ:架空戦記小説 | 12:26 | comments(0) | trackbacks(0)

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