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呉漢・下 宮城谷昌光

 多くの本は読んでいる間、現実から心が離れる。しかし、宮城谷昌光の作品を読んでいるときは、いかんともしがたく人生について考えさせられる。それでいて苦痛ではない。登場人物と自分を比べれば悲しくならないでもないが……。

 呉漢と運命的な出会いをしたキトウが最終局面で力つきてしまった。公孫述の暗殺者依存が印象に残る。彼に比べると蜀漢は暗殺者に頼らなかった?
 蓋延はやたらと低い評価を浴びていて、ちょっと可哀想になる。すばやく更迭されていれば、くりかえし呉漢陣営から批判されることはなかっただろうに。
 劉秀の人材運用の被害者と思えないこともない。寛容の薬は毒になりやすい。

 蓋延の関係もあって、劉秀はけっこう裏切られているし、呉漢もそれなりに負けている。トウウに至っては勝ちパターンが見えないでいる……。
 それでも最後に勝ったのは劉秀たちである。
 もちろん人材の力もあるだろうけど、中国の内乱で抑えるべき地域の関係もあるのではないかなぁ。本当に中心だけを抑えたような――荊州は根拠地になったはずだが――更始帝は負けているので、軍事的に有力な地域のプラス1が必要なのかもしれない。日本の戦国時代を比較すると、尾張から畿内をおさえた織田氏のように経済的なプラス1が必要?

 三国志のゲームをやっている関係で、漢帝国の地理感覚が分かってきたので、そのあたりも楽しめた。ゲーム用にデフォルメされた地図で覚えると後が怖いのだが……。

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呉漢 - 下巻 (単行本)
呉漢 - 下巻 (単行本)
カテゴリ:時代・歴史小説 | 22:57 | comments(0) | trackbacks(0)

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