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沖縄戦の発掘〜沖縄陸軍病院南風原壕群 池田榮史

 シリーズ「遺跡を学ぶ」137

 第二次世界大戦の沖縄戦で、病院として利用された南風原町の地下壕を発掘した記録。シリーズの中でも飛行場に並んで、非常に新しい遺跡である。
 前半は沖縄戦の経緯が戦記のようにまとめられていて、中盤以降から発掘の話に入る。大学生たちに長期休暇を利用して発掘してもらったことが、彼らに強い印象を与えたようだ。

 オカルト的な恐怖はともかく、注射針の存在など比較的リスクの高い発掘作業だったと思われるが、無事に済んだようで何より。沖縄の日常が戦争と地続きであることを意識せざるを得ない。
 ろうそくで酸素濃度を確認して、酸素がなくなりそうになったら、みんなで壕内の換気をしたという、ひめゆり隊の記述も壮絶だった。
 壮絶な思い出だっただろうに、元陸軍病院関係者や元ひめゆり隊の人は、よく壕に戻っての話をしてくれたなぁ……

 ここで行われた厚生省の遺骨回収事業が重機で掘り返し、記録もろくにとらない乱暴なものだったことは、ロシアの遺骨返還事情で問題を起こしていることにも通じている気がした。

新泉社 遺跡を学ぶシリーズ感想記事一覧

沖縄戦の発掘 沖縄陸軍病院南風原壕群 (シリーズ「遺跡を学ぶ」137)
沖縄戦の発掘 沖縄陸軍病院南風原壕群 (シリーズ「遺跡を学ぶ」137)
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