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香港争奪戦線 林譲治

 マクロスネタに爆笑。さらにヘス副総統とゲッペルス宣伝相の阿吽の呼吸にノックアウトされた。「もちろんです、総統閣下。いでよ、ゲッペルス宣伝相!」「はっ、お任せください」って、漫才コンビかあんたらは。

 香港をめぐる中国軍とイギリス軍の戦闘も重要ではあるが、大日本航空での堀越技師を中心とするプロジェクトチームの九試長距離戦闘機の開発史が最大の主軸であると感じた。
 エンジン出力に不満は残るもののアメリカ陸軍のP−38をイメージさせる機体になっている。南雲長官が雷撃任務に使いたがったのも無理はない。
 今のところ複座機である事からみても、夜間戦闘機として後半生を送るのではないか。史実では失敗の多い双発戦闘機が成功作と呼ばれるにはそれしかないと思われる。まぁ、この世界の日本は四発重爆に色気を見せているので護衛戦闘機としての息も長いかもしれないなぁ――ツインムスタングって変態だよね。


 空母蒼龍上でのやりとりで酷く印象的だったのは九十二式装甲車丙の12.7ミリ機銃を取り外して、戦闘機「荒鷲」に装備してしまった改造の流れだった。史実で考えれば無茶苦茶なのだが、アメリカに対して無闇な敵意を抱かずにブローニング機銃を輸入、ライセンス生産した恩恵が思わぬところで出てきている。
 陸軍の迫撃砲による潜水艦撃沈も含めて、柔軟な発想ができる人材が豊富な事も見逃せない。戦車と戦闘機を別の兵器とみて思考停止してしまえば、決してあんな改造は思い付けないのだ。

 しかし、九十二式装甲車丙(クリスティー戦車の改良コピー)が官僚的事情によって装甲車に区分されているせいで、実質的に装甲車であるドイツの一号戦車や二号戦車が実質的に戦車である装甲車によって撃破されるという事態を惹起しているのは皮肉を超えている。ここまでくると軍政の問題だろう。
 半分日本の生贄となるために暴走している――史実でも暴走したけど――ドイツ第三帝国が可哀相になってきた。「ええい!いでよ、ゲッペルス宣伝相!」「はっ、お任せください」

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香港争奪戦線―大日本帝国航空隊戦記〈2〉
林 譲治
カテゴリ:架空戦記小説 | 12:18 | comments(0) | trackbacks(0)

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