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ソラリアの謀略 神坂一

 ガウリイのためにかった応急の魔力剣を狙った泥棒をしばき倒して、彼の情報からリナたちが向かったのはソラリア・シティ。ここの領主は魔力剣を妙に掻き集めているというのだが……ルークとミリーナに、ベゼルドで衝突した黒ずくめの連中もでてきて話は混沌としはじめる。

 浮遊で上から侵入する方法がリナ=インバースのお気に入りだけど、どうして魔法のある世界で警備兵たちは魔法がない状態での警備体制に徹しているのだろう。まさかリナ以外の人間がレビテーションを侵入に使う頭もないほど間抜け揃いとは思えないのだが……こういうところから魔法と社会がきちんと噛み合っていない中途半端さを感じざるをえない。城壁の方は魔法使いの数が少ないから充分侵攻を防ぐ役にたつと想像できるのだけど。
 厳密に魔道と社会の関わりを考えたから皇国の守護者のそれは限定されたものになったと考えることもできそうだ。まぁ、この辺りはお約束にふくまれる問題でもあるのでスレイヤーズだけを槍玉にあげてもしかたがない。

 狂王の人体実験によって第二部の不気味指向の方向性が決定付けられた感もある。第一部が爽やかであったとは到底いえないが、第二部は根に潜む暗黒の深さがかなり増加している気がするのだ。フィブリゾとの戦いで人間の精神に眠る光に注目した返す刀で暗黒面に注目しているのかもしれない。ちょうど二つで一対の対称な構造に物語がなるように気を使っていたかのようだ。
 人魔の発想によって生まれたザインはポストズーマに迫る勢いの力をもったキャラであったからマイナスばかりでもなかった。かなり剣の腕をあげたリナによって倒されてしまったのは微妙に思わないでもなかったが、光の剣がないとこんなもんか。ゾードもなかなかイカしたやつではあった。

 ラーヴァスが融合した相手はどんな魔族だったんだろうなぁ。そこそこの力をもっているのに、自我がラーヴァスのひとり勝ちに落ち着いている点が凄い。本人の根性のなせるわざという可能性もあるが、セイグラムレベルでもズーマと共存していたことを考えると「材料」の力量を測るのは難しいところだ。

ソラリアの謀略 (富士見ファンタジア文庫―スレイヤーズ)
神坂 一
カテゴリ:ファンタジー | 20:25 | comments(1) | trackbacks(0)

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コメント
>こういうところから魔法と社会がきちんと噛み合っていない中途半端さを感じざるをえない。

確かに、あっさり侵入され過ぎですよね。
その割に、魔法の習得自体はあまり難しいものでもないみたいだし。
魔道士協会の描写をライトにし過ぎたのがまずかったのかも。
もっと財政的・能力的に選ばれた人にしか習得できないものにしても良かったような。

そういう点では、オーフェンの牙の塔(魔術の行使は遺伝的素養と厳しい訓練が無いと無理)やソード・ワールドの賢者の学院(よほどの才能か、そこそこの才能プラス多額の授業料)の設定は無理がない。
| 宇宙の子供 | 2011/05/11 9:59 PM |
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