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特型噴進弾「奮龍」戦記3巻〜「い号作戦」発令ラバウル航空戦 林譲治

 噴進弾とそれに付きまとう電波兵器の開発はとどまるところを知らず、ついには空対空ロケット弾に結実する。
 しかも限定的なTV信管装備なのが心憎い。ロケット弾なら高Gにさらされずにすむから貧弱な真空管でも何とかなるのはもちろん、砲弾から電波を発振させることも諦めることで、完璧に貧乏人向きにカスタマイズされているのが物悲しい――まぁ、本当に敵機を撃墜することさえできれば竹槍だって構わないのだ、大事なのは効率なのだから。
 それを浮彫りにするだけでも戦争と産業活動の密接な関係をまざまざと見せつけられるようで……しょうじき気分が優れない。なんといっても殺人行為なのだからなぁ。このシリーズはたいていは後方にいるはずの――というかいなくちゃならない――技術士官を前線に出張らせることで開発速度の効率化を図ったり、おもしろい視点を与えたりしているのだが、同時に戦いを湾岸戦争的なものにしているきらいがある。
 アメリカ側の技術開発も、向こうの視点込みでやってくれれば印象も代わったのかもしれないが、日本人の夢を追うプロジェクトX的な側面があるこの作品には難しいか。だいたい通常でもB29なる「オーパーツ」を戦場投入してくる米軍にこれ以上の暴挙を許す余地を与えるのは……やっぱり架空戦記小説って難しい。

 PHP出版から技術やマネジメント中心の話がでているのは、やはり出版社の特色を考慮してのこと?さすがというか、なんというか。

林譲治作品感想記事一覧

「い号作戦」発令、ラバウル航空戦―特型噴進弾「奮龍」戦記〈3〉
「い号作戦」発令、ラバウル航空戦―特型噴進弾「奮龍」戦記〈3〉
林 譲治
カテゴリ:架空戦記小説 | 14:13 | comments(0) | trackbacks(0)

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