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スパイラル完全解説本 LIFE IS SPIRAL 城平京

 スパイラル完全解説本を名乗るなら全話の解説しろよ…てめッ、コノ!と当時は完結していなかったのに理不尽なツッコミを入れてしまいたくなる。水野先生のかかわっている部分は装丁周辺だけで、内容はほとんどが城平先生の手によるものだ。

 メインとなるのがストーリーにそった解説というか苦労談で、作品の経緯や方向性を知っていく事ができる。城平先生の捻くれた「ありがちなことはしなくない。でも自分の非才も認めるから戦場を狂ったところに設定する」態度もみえてくる。何より文体がおちゃらけている。
 作者本人も寄稿している人も物理的なナンセンスは承知していて、それを理解した上で楽しませる方法を探るのに熱心だが、やはり浅月以降の「政治的判断」は気になってしまった。これと担当編集者の「動きのある推理を」という要望のふたつが、ストーリーに及ぼした影響は甚大といえるのではないか。それに加えてカノン戦以降の「ゲームによる戦いではなく、戦いをゲーム化させる」方針が勢いの減速をもたらしてしまった。
 文章で言われる狙いはとっても素晴らしいと思えるのだけれど、少々割り切りがあったほうが良かったんじゃないかな。勝負そのものはゲームを主体にして、それらを伏線に一つ上のレベルの戦いを組み立てる形式にできれていれば面白かったかもしれない(まったく読者は気楽に難しいことをいう)。

 あと、アライヴの解説で本編のキャラクターはメインになりませんと宣言しているのが……あれあれ?今のアライヴをみるとブレードチルドレンの独壇場なんですけど……ラブコメがレーゾンデートルという方針のほうは中心キャラが変わっても守られているか。
 まぁ、作者贔屓のまどかおねーさんをゴリ押ししているわけじゃないのは偉いと思うよ。あまり真剣に需要に応えようとしすぎるのも作品にとって不健康なのかもしれないな。


 どうでもいい余談だが、付属ラジオドラマのひよのの語りが絶品。「いえ、私的にはいいんですけどね。すごくいいんですけどね」の言い回しには魅かれるものがある。


続・LIFE IS SPIRAL:原作者による50話までの解説

まとめ考察記事
スパイラル〜推理のプリンキピア〜:360度の方針転換

スパイラル完全解説本 LIFE IS SPIRAL
スパイラル完全解説本 LIFE IS SPIRAL
城平 京,水野 英多
カテゴリ:ミステリー | 12:08 | comments(0) | trackbacks(0)

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