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星空の二人 谷甲州

緑の星
 どんな進化を辿ればこんなことになるのか。そればかりを考えた。昔は惑星間を移動できる昆虫の類がいたのかもしれない。地球の長い午後ですら単種の植物に支配されてはいなかった。むしろ進化の方法や概念そのものが違うと考えるべき?しかし、花粉で増える。これ以上は堂々巡りかな。

星の夢に
 海賊たちの行動半径は限定されるのだから、消息を絶った無人船の分布から位置の推定ができるのでは?それとも人類以外からの航宙船も捕獲していたり、他にも海賊星系があったりするんだろうか。男女の愛をテーマにした短編集だと何故か思い込んでいたので流れに意外性を覚えた。

五十六億七千万年の二日酔い
 こんなんありか。神仏に獣姦させるのは怪しからんと思ったが、ゼウスのように進んでやる馬鹿もいるから、まぁいいか。宇宙観の元ネタを知っているほど楽しめる。風輪がどうとか良く分からなかった。

彷徨える星
 緑の星にもあった傾向だが、宇宙開発を普通の事業のレベルに捉える点に関して谷甲州氏は頭抜けている。だが、アイディアとしての奇抜さはSFにしては弱い。それでも読ませる力を誇示された気もするが。

繁殖
 既に読んだことがある作品。ブラッドレー船長があまりにも哀れ。彼は生きたまま捕獲されたのだから、エイリアンは意外と近隣に生息しているわけだ。本体の死体くらいしか持ち帰れないけど対策は可能か。調査に来た船に女性が乗っていなかったらどうするつもりだったんだか……4人中全員男の船を捕獲した癖にあまり割りの良い賭けをしないな。
 意外と疑問点がでてくる作品だが、中身二十代後半で外見14歳なのは反則だ。うらやましすぎる。

スペースストーカー
 既読その2。うらやましすぎる、その2。宇宙開闢へ辿る描写は甲州節のひとつ。男の方が女よりも嫉妬深い動物なのは事実だろう。

ガネッシュとバイラブ
 航空宇宙軍史に連なる作品が読めるとは感激。谷甲州作品には神にも匹敵する精神力の化け物が現れることがあるけど、ハヌマンもそんな一人。彼の仮想人格を汎銀河連合に流布させれば、それだけで全てが終わるかもしれない。ロボット三原則のスルーが強靭すぎて声もない。惑星CB−8越冬隊に照らし合わせればガネッシュが任務を守ったときに何を見たのかも凄く気になる。だが、良いラストだ。

星空の二人
 甘い。激甘い。日本人がしたドイツW杯の見通しくらい甘い。一種のバーチャル恋愛もの。年齢と空間を飛び越えるついでに性別も飛び越えたらいっそう冒険的だったかもしれない。仮想人格の使い方について似たようなことを考えたことがあったのでちょっと嬉しい。でも、オチには賛同できない。呪いと愛の境界が分からない。

星空の二人
星空の二人
谷 甲州
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