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攻撃衛星エル・ファラド下 谷甲州

 エル・ファラド別働隊の魔手は惑星間航宙機イントレピッド犬砲眇び、月面以上に軍事力の空白地帯であった火星はフォボスに危機が迫る。火星開発の議論では月で作動試験をして、火星に持ち込むという話がよくでてくるが、月で動作する武器なら別の場所でも利用できる皮肉な現実が別の危険の存在も示唆してくれるわけ。
 少人数で行われている開発の最前線では少数の人間が破壊活動にでるだけでも随分と大きな危険が生じてしまう。防御側にはけっこう不利な問題だ。

 イントレピッド犬肇札鵐船優襦Ε泪鵑離譟璽垢呂もしろさ以上に蓮美大佐の怨念を感じてしまい笑うに笑えなかった。そろそろ解放してくれてもいいじゃないかと思いつつ、どちらがどちらに囚われているのか分からなくなるのだった。もはやこの世界と一体化した存在なのかもしれない。そういえば前巻でシャヒーヌ管制官がもはや神格化された存在だと言っていたなぁ。
 この世界の人類が宇宙開発の恩恵を受け続けるかぎり、蓮美大佐の影から逃れることは不可能なのではないか……B52を母機にギリギリやっていた時代がなんだか懐かしい。

 表紙イラストがイントレピッド犬任皀札鵐船優襦Ε泪鵑任發覆「プラットフォーム」を主役にしているのも象徴的だ。頑丈なフレームにエンジンとマニュピレーターを搭載しただけの武骨なマシンが、宇宙開拓が先鋭的な技術の塊ではなく、充分に使い古された枯れた技術で行われるような日常的な業務になっていることを強く感じさせるのだった。
 それにしてもエレナしかりアイリーンしかり、谷甲州氏の描くはねっかえり娘は愛らしい。

高度36,000キロの墜死感想

攻撃衛星エル・ファラド〈下〉
谷 甲州
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