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新・大日本帝国の興亡2 三木原慧一

 日本人傭兵達に与えられた中東の島「ミレニアム」とそこから噴き出す大量の石油が世界をおかしな方向へ変えていく。合衆国人意外にとっては望ましい方向であるのにともかく歪んでいるとしか感じられないのは、架空戦記小説の違和感をむしろ楽しむべきものとして演出しているからだろう。いちばん歪んでいるのは著者の性格だと思われる……。

 山師という言葉にとことん拘り社会をダメにする害虫として糾弾しているのはまったく先見性を感じさせる態度ではある。ただ、当時はともかく今の価値観が急激に変転する社会においては誰が山師になってしまうか分かったもんじゃない部分がある。気持ちの持ちようも大事だといっているけれど、山師にプライドを意識しすぎるのも危険かもしれない。

 合衆国に起きた地震の設定は正直無茶苦茶だと思った。アメリカ南部が安定陸塊にあることはひとまず置いても、内陸地震でマグニチュード9クラスは起こせない。なぜなら地震と断層の長さは比例する関係にあり、9を超えるとなると必要とされる断層の長さもとてつもないものになるからだ。
 なんでもありのファンタジー展開にしてもこの地震の話は安易だったと思う。それだけ大規模な断層帯があれば、石油探査の関係上で存在が指摘されていただろうし、一般的に大きな地震を起こす断層ほど活動周期は短い。数万年に1度でマグニチュード9はとがりすぎだ。
 とか、いろいろ思うところはあったけれど、まぁ多少強引にでも描きたい世界の形はみえるので良いか。娯楽とわりきって愉しむべきだろう。

新・大日本帝国の興亡〈2〉
三木原 慧一
カテゴリ:架空戦記小説 | 12:15 | comments(0) | trackbacks(0)

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