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軌道傭兵5〜発進イントレピッド供|甲州

 ハスミ大佐の曲芸飛行がいくところまでいってしまった感のある最終巻。人間業ってレベルじゃないぞ……月に辿りつくまでの活動といい、もはやハスミ大佐は航宙機にとっての最良パーツの域に達していると思った。まぁ、無茶苦茶な酷使も日常茶飯事だからありがたいかどうかは疑問だが。

 前巻のあとがきで言っていたベストセラーの軌道船とはシュピーゲルのことを指していたようだ。日本のHOPEもハスミ大佐の無茶につきあわされて二度も月軌道に到達した歴戦の機体といえると思うが次世代の飛鳥が登場しているし、小刻みなバージョンアップを必要としている感じが名機の印象を与えるにはマイナスに作用している。
 ともかくこうして最良最強のパイロットに最高の軌道船が与えられて軌道傭兵の誕生をここにみることになったわけだ。問題は母機がないことなのだが……ハスミ大佐の魔技をもってすればどうにかなってしまいそうだから呆れる。サガールやチャペックもいることだし、アフリカの小国がもつにしては異常なほどの力、世界でも数少ない宇宙軍といえるのではないか。

 自体を背後から操っていたのは軍官複合体にみえて、実は……と予断をもたせるオチは、小国のしたたかさを感じさせた。ムワンディ将軍はもともと少数民族の領袖ということもあり弱者の生き残り戦術には精通しているのだろう。
 完全に受け身にたってしまった軍官複合体側こそいい面の皮だが、やってることがやってることなので痛快な感想しか残らない。いろいろな思惑が絡む状況では、影に隠れて悪事をなそうとする連中よりも、断固として現場で戦う人間のほうが強い。これが谷甲州作品の哲学でもあり、心強い真実だと思う。

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軌道傭兵(オービット・コマンド)〈5〉発進イントレピッド 2
谷 甲州
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