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星の墓標 谷甲州

 動物小説だったり超能力小説だったり忙しい。まさしくひとり何役もこなすような話だ。そしてとてもとても大きな悲しさに包まれている。タイタンはラザルス、ガニメデは作業体K、カリストはオルカ戦隊と戦争犯罪三兄弟は足並みを揃えているなぁ。イオのアレが別の意味で困ったちゃんであることを考えると外惑星連合でミソをつけていないのはエウロパくらいか……両トロヤ群はヘボ過ぎるし。
 少数弱者の痛みがわからない立場でもなかろうに、それをやってのけてしまう連中はなんなのだろう。案外、闇の行為に手を染めている自分に酔っていたのかもしれない。まったく、他人を巻き込まないでほしいものだ。
 まぁ、ラザルスだってジョーイに牙を剥いてしまっていることを考えれば人間の悲しい性なのだと感じずにはいられない。本当にあれは酷い事態で、約束を守るために八方手を尽くしていたダンテ隊長のアツさだけが輝いていた――タイタンを拠点に再生を行うってことは「シャンティ」に協力させているのだろうな。いろいろと繋がりがみえてくる。

 航空宇宙軍の捕虜やトランパーの仕事が成り立つのをみると外惑星動乱の定量的な規模が気になってくる。遭難した船は三ケタに行かなければ話が合わない気がするのだが、1年の期間と戦いの単位をみるかぎりではギリギリなのではないか。
 ただ、中立国の輸送船が戦闘に巻き込まれたり独行船が機雷にやられたりする場合もあっただろうから、船団護衛戦に拘りすぎなくてもいいのかもしれない。なんにしても途方もないエネルギーと資源の浪費であり、同じものを建設的に使えば太陽系外植民だって出来ただろうと感じた。
 それも余計に戦いの空しさをかき立てるなぁ……それでいてオルカ・キラーVSオルカ戦隊の激しい攻防には手に汗握ってエキサイティングしてしまうのだから、私も業が深い。

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