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焦熱の波濤2〜ポートモレスビー攻略 林譲治

 IQ3000のルチ大佐からアッツ・キスカ戦、そして表題にあるポートモレスビーを巡る戦いと盛りだくさんな内容になっている。とくに後半では大和級とアイオワ級の真っ向正面からの殴り合いが描かれており、正統派的に熱くさせられることもなくはなかったのだが……あんまりなオチがついた。
 もはや日本はイギリスの変態兵器処分場と化していて悲しいやら笑えるやら複雑な気分だ。経済的な仕組みはよくわかったし、輸入兵器で戦うのは当時の日本にとって唯一現実的な選択なのも納得できるのだけど――F6Fの参戦にフォッケウルフやスピットファイアが間に合って本当に良かった。

 ルチ大佐のハンター・キラー部隊との戦いはシャルンホルストの通商破壊戦を思い出させて懐かしかった。潜水艦が信じがたい理由で無力化されてしまっている以上、アメリカ海軍は空母による通商破壊戦のオプションをもってもいい気がするのだが、互いに有力な空母機動部隊を展開させている現状では中途半端な戦力分散にしかならないのかもしれない。
 それを効果的におこなえる戦線があるとしたらインド洋なのに、そこでの突発的な作戦で失敗してしまったことが大問題になっている。欧州との交易路がひらかれた状態では裏庭であるインド洋の戦略的価値は非常に高まっている。幸いなことにアメリカはもっともインド洋から離れていて、インドが脱落した今となっては連合軍のまともな拠点もないわけだ。
 これでオーストラリアが脱落すれば、さらに日英貿易は促進されてアメリカの手に負えない防衛体勢を築かれてしまうことがわかる。

 栗田提督が大活躍で、人材を失いまくっているニミッツがさらに憐れになった。日本海軍は普通に戦える提督は普通に戦っているのに……栗田提督に漂うのは戦うことの空しさのような気もするから、この作品のようにきちんと意味を与えてやれば人並みに働いた可能性はあるのかな?

焦熱の波濤〈2〉ポートモレスビー攻略戦
カテゴリ:架空戦記小説 | 22:53 | comments(0) | trackbacks(0)

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