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焦熱の波濤5〜大捷!珊瑚海・北大西洋大海戦!! 林譲治

 まさしく地球の反対側での戦いをならべてタイトルにする冗長……まぁ、話が世界規模であることを意識できるのは確か。スエズ運河が開通してからこっち、日本の艦隊も軽々と欧州に出て行くようにみえる。実際は特殊例なのだけど、描かれるのが特殊例ばかりではしかたない。

 珊瑚海での海戦は明らかにホーヴァー中将の自滅。同じ戦いの中で対応策を編み出して投入する日本の電子戦速度は見ものではある。どちらも本国から離れているのは同じなのに運用技術で日本が優位に立てているのは、ラバウル辺りの創意工夫のほうがしがらみにがんじがらめにされた日本での開発よりよほど上手くいっているからのような気がした。技研の電波高度計エピソードなどは典型だろう。アメリカはもっとまともで重心が本国にあるからいけない。
 まぁ、社会のどの部分が軍人として前線にでているかの問題もある。日本ではかってのスペイン無敵艦隊のように最先端の人間が揃っているけど、アメリカは普通に軍隊は軍隊だ。それによって生まれるタイムラグの差が日本を有利に導いているのではないか。
 そうでも考えなければ説明のつかないところがある。

 そんな技術の大切さを教える作品のなかで、イギリスという外的刺激すら失ったナチスドイツの政情は悲惨の一語に尽きる。まるでソ連のレベルにあわせて畜生道に堕ちていくかのよう――心意気では科学を信望しているだけソ連のほうがましかもしれない。
 しかし、知性軽視の傾向は今の日本にもあてはまる問題にみえてくる。大部分の日本人がいまだにそんな認識にあるのだとしたら、いったい戦後とは何だったのだろうか?
 もしかして、知性と知識の区別もつかない人間は――などと悦に言って議論できるレベルにすらない状況なのではないか。

 それにしても魔女飛行隊は悪い冗談でありすぎる。
カテゴリ:架空戦記小説 | 22:57 | comments(0) | trackbacks(0)

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