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焦熱の波濤7〜怒涛!豪州上陸作戦!! 林譲治

 1944年冒頭からついにまとめに入りはじめる仮想戦史。核兵器の存在やB29の開発状況を考えても、このタイミングがギリギリ最適な位置なのだろう。アメリカの超兵器軍は史実のままでも架空戦記なみに凶悪だが、それも実戦配備されなければ国力の無駄にすぎない――少なくとも戦争の内側で考えれば。
 そこまで考えて史実で死蔵された驚異的な兵器がどれだけあったのか、想像してしまった。まぁ、そのなかに氷山空母は含まれていまい。

 豪州上陸作戦はついにここまで来たかと感慨深い思いに包まれる内容だ。ある意味アメリカ上陸作戦の代償行為のような気がしなくもないけど、この戦争において非常に重要な意味をもつことは間違いない。
 しかし、注目はむしろマチス大尉の勇敢で孤独な戦いみたいな細部にあるような気がした。フレディ軍曹に続いてリチャード軍曹がはっちゃける個人描写シリーズも興味深い。さすがに軍政問題について語る部分は教条的すぎてくどい気がしたけれど、人間の組織が何をなすにも「法」抜きでは語れないことに視点が注目してくるのも分かる気はする。
 ただ、無法一歩手前の自由さを不自由が横溢する軍隊内で駆使する兵隊元帥たちの活躍からはじまった物語が至った結論だと考えれば、ひどく皮肉な感じではある。

 ドイツの練習戦艦シュレージェンの戦いはまさしくありえないものだった。それを存在させてしまうのが架空戦記小説家の魔法なのだろう。ナチ教育を透かして表現されるゆとり教育への不平には、結局大人が子供に勉強する意味を与えられない時代があることの問題意識が欠如している気はしたのだが――それとも「時代が変わる」事実をもって理由とするつもりなのか。

焦熱の波濤〈7〉―怒濤!豪州上陸作戦!!
カテゴリ:架空戦記小説 | 22:59 | comments(0) | trackbacks(0)

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