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新鉱物発見物語 松原聰

 野外鉱物学を研究する著者が関係した日本新産鉱物についての興味深い逸話をわかりやすく紹介している。
 開いている鉱山が年々乏しくなっている現状でもズリや露頭から新鉱物をみつけてくる研究者とアマチュアの逞しさには笑いが込み上げるほど感心させられる。まだまだ、これからも日本から新鉱物は発見されていくのだろうと期待を抱けるのだった。

 一部の鉱物は冒頭の写真に載せられていて、ちょっとした参考になる――オパールと水晶が紛れ込んでいる理由は不明だが、キャッチーなものを最初にもってきたかったのかもしれない。わたつみ石などは思いのほか綺麗ときめいた。草下先生の本でみていらい虜になっている鈴木石については言うに及ばず……。

 研究や命名の逸話から感じるのは連綿たる日本の鉱物研究の歴史である。師の名前が新鉱物に付けられていく、また共同研究者として得意分野をもちよって必要なデータを揃えるところにみられる協力体制が研究の大きな力になっていることが感じられた。
 アマチュア採集家が怪しい鉱物をもちこんだり、標本の量を揃えるのに力を貸している点も見逃せない。鉱山が減っているからこそ彼らの存在感はますます高まっていくのではないか。
 でも、逸話に語られなかっただけで、つまらない石をさかんに持ち込む困った人もいるんだろうなぁ。

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新鉱物発見物語 (岩波科学ライブラリー)
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カテゴリ:地学 | 23:05 | comments(0) | trackbacks(0)

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