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鉱物と宝石の魅力 松原聰・宮脇律朗

 鉱物学啓蒙系の書。日本産鉱物などの話題でたくみに興味を引き出しながら、端成分の話などかなり専門的なことまで語っている。
 松原先生はこの手の本をだしてくれる出版社の数だけ、鉱物について書いているいきおいなので、解説などもこなれていて読みやすくなっている。話題が尽きないのもさすがは専門家といえよう――こっちのもの覚えが悪くておなじことを書かれても反応できないだけかもしれないが。
 少なくとも写真はあまり見覚えのないものが多く、慎重に重複をさけているようだ。鉱物の本が氾濫している昨今確実に新しくできる場所だからねぇ。飛び抜けて美しいものはあまりないが、小さな窓に収まりのよいまとまりのある標本が多かった。
 あと、共著者として弟子の宮脇先生が名前を連ねていることに、この手の本の未来への流れを感じる。

 いちばん興味深かったのは間間にいれられているコラム。
 特に人骨にブラッシュ石という鉱物が発生していた話は不気味で印象的だった。そのものだけを見れば美しいといえる鉱物なのだが、そんな経歴をもっていては、まるで本当に人の血を吸い上げて赤くなった桜みたいだ……。
 人骨ではなく他の動物の骨から生じるなら抵抗も弱まるので、藍鉄鉱と同じく「遺跡鉱山」からの採掘が期待できる鉱物のひとつではあるな。
カテゴリ:地学 | 23:08 | comments(0) | trackbacks(0)

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