逆撃ナポレオン4〜エルバ島脱出 柘植久慶
2008.07.19 Saturday | by sanasen
意外なほど戦闘シーンがなくて裏工作に終始している雰囲気が独特だった。まぁ、柘植先生はこういう陰惨なのも得意といえば得意か……。いっそのこと死者がまったくでなければおもしろかったのに、と変な期待を抱いてしまっていたよ。
大革命があまりにも悲惨だからかもしれない。
作中の視点で描かれる元帥たちやルイ十八世、アルトワ伯爵の醜態は興味深いのだが、それなりにバイアスが掛ったものとしてみたほうが良さそうだ。この作品の場合、はじめからそれが分かりきっているだけ、むしろ健全に歴史を楽しめたりする。
あいかわらず人物間のやりとりが素っ気なく、歯切れがよすぎる。しかし、現実における将軍たちのやりとりもこんなものだった気もしてきた。後世の歴史家という名の文章家によって推敲を受けてしまう傾向にあるのが、彼らの発言だから。でもまぁ、クセノフォンだけはガチ。
銀行を襲撃して資金源をおさえるアイデアは興味深いし、実際の大規模すぎる銀行強盗(と戦闘の中間にある作戦行動)にはワクワクさせられた。とはいえ、御厨太郎が周辺人物に絶賛の嵐を受けているのが鬱陶しくてしかたがない。
歴史上の偉人たちにまで「やっぱりポワソンシャー中将はすごい」と言わせてしまうことに自慰的なものを感じてしまう。もともと情報量で圧倒しているのだからフェアーな知恵比べでもないのに、あまり持ち上げすぎると滑稽だ。
その辺りがやっぱり気になってしまう作品なのだった。
ナポレオン−獅子の時代−感想
:ナポレオン時代を描いた熱い戦記漫画。登場人物をこの作品のイメージで読んでしまった。
ナポレオン戦争全史感想

逆撃 ナポレオンエルバ島脱出 (C・NOVELS)
柘植 久慶
大革命があまりにも悲惨だからかもしれない。
作中の視点で描かれる元帥たちやルイ十八世、アルトワ伯爵の醜態は興味深いのだが、それなりにバイアスが掛ったものとしてみたほうが良さそうだ。この作品の場合、はじめからそれが分かりきっているだけ、むしろ健全に歴史を楽しめたりする。
あいかわらず人物間のやりとりが素っ気なく、歯切れがよすぎる。しかし、現実における将軍たちのやりとりもこんなものだった気もしてきた。後世の歴史家という名の文章家によって推敲を受けてしまう傾向にあるのが、彼らの発言だから。でもまぁ、クセノフォンだけはガチ。
銀行を襲撃して資金源をおさえるアイデアは興味深いし、実際の大規模すぎる銀行強盗(と戦闘の中間にある作戦行動)にはワクワクさせられた。とはいえ、御厨太郎が周辺人物に絶賛の嵐を受けているのが鬱陶しくてしかたがない。
歴史上の偉人たちにまで「やっぱりポワソンシャー中将はすごい」と言わせてしまうことに自慰的なものを感じてしまう。もともと情報量で圧倒しているのだからフェアーな知恵比べでもないのに、あまり持ち上げすぎると滑稽だ。
その辺りがやっぱり気になってしまう作品なのだった。
ナポレオン−獅子の時代−感想
:ナポレオン時代を描いた熱い戦記漫画。登場人物をこの作品のイメージで読んでしまった。
ナポレオン戦争全史感想

逆撃 ナポレオンエルバ島脱出 (C・NOVELS)
柘植 久慶