逆撃ナポレオン5〜ワーテルロー会戦・上 柘植久慶
2008.07.20 Sunday | by sanasen
再度フランスを掌握したナポレオンは最終決戦に打って出る。ワーテルローの前哨戦は御厨太郎の画策によって大規模な殲滅戦に移行し、プロイセン軍を叩きのめした。戦術展開がタンネンベルク会戦のオマージュを感じさせるものになっており、プロイセン軍がその犠牲者なのがおもしろい。ウエリントンとブリュッヒャーの不仲を敗因にもってくるところも「らしい」。
まぁ、調子がよくてもいつものごとく歴史の寄り戻し、足を引っ張る同僚に事欠かないのだが……ナポレオンもポワソンシャー中将の名声が高まりすぎることに警戒心を抱いておりやけに面倒くさい状況に陥ってきた。
やはりナポレオン軍の人材の少なさが気になる。それも結局は人がいないのではなくて(大戦争で人口を失おうともやはりフランスは大国だ)ナポレオンのワンマン指揮の弊害が遅行性の毒のように出ている感じがする。
それでいて本人の判断力は鈍っているのだから手に負えない。むろん、老いたりとはいえ皇帝の才覚は優れたものとして描かれているのだけど、能力が衰えたことよりもそれを認めずに全盛期の感覚のまま物事を処理しようとする姿勢に大きな問題があるように思われた。
一族重視主義に踊らされていることについては、血縁者に恵まれなかったアウグストゥスが幸運に思えてくるほど……自分から頭痛の種を増やしているのだから世話はない。
ともかく絶賛と嫉妬の雨を浴びまくっている御厨=ポワソンシャーにも問題があって、ベルティエ元帥に続いてスルト元帥にも同じような敵意を受けてしまうのは、本人の度量にも問題がある気がする。
だいたい本気でナポレオンを倒して帝位を奪うくらいの決定的な行動にでてしまってもいいはずなのに、それをしない、できないのは本人の人徳に根本的な問題があるからだろう(ある種の勇気の問題といってもよい。自分の情報力を誇示したいがために歴史改変しながら歴史改変を避ける性質も災いしている)。
まぁ、いくら下駄をはいた能力があっても本当にその時代に生きた人間でなければ掴めない人望ってものはある。
そのあたりを踏まえているならストレスは溜まるものの、逆撃シリーズは歴史改変の難しさを示唆しているのだろう。
逆撃ハンニバル戦争カンナエ会戦感想

逆撃 ナポレオンワーテルロー会戦〈上〉 (C・NOVELS)
柘植 久慶
まぁ、調子がよくてもいつものごとく歴史の寄り戻し、足を引っ張る同僚に事欠かないのだが……ナポレオンもポワソンシャー中将の名声が高まりすぎることに警戒心を抱いておりやけに面倒くさい状況に陥ってきた。
やはりナポレオン軍の人材の少なさが気になる。それも結局は人がいないのではなくて(大戦争で人口を失おうともやはりフランスは大国だ)ナポレオンのワンマン指揮の弊害が遅行性の毒のように出ている感じがする。
それでいて本人の判断力は鈍っているのだから手に負えない。むろん、老いたりとはいえ皇帝の才覚は優れたものとして描かれているのだけど、能力が衰えたことよりもそれを認めずに全盛期の感覚のまま物事を処理しようとする姿勢に大きな問題があるように思われた。
一族重視主義に踊らされていることについては、血縁者に恵まれなかったアウグストゥスが幸運に思えてくるほど……自分から頭痛の種を増やしているのだから世話はない。
ともかく絶賛と嫉妬の雨を浴びまくっている御厨=ポワソンシャーにも問題があって、ベルティエ元帥に続いてスルト元帥にも同じような敵意を受けてしまうのは、本人の度量にも問題がある気がする。
だいたい本気でナポレオンを倒して帝位を奪うくらいの決定的な行動にでてしまってもいいはずなのに、それをしない、できないのは本人の人徳に根本的な問題があるからだろう(ある種の勇気の問題といってもよい。自分の情報力を誇示したいがために歴史改変しながら歴史改変を避ける性質も災いしている)。
まぁ、いくら下駄をはいた能力があっても本当にその時代に生きた人間でなければ掴めない人望ってものはある。
そのあたりを踏まえているならストレスは溜まるものの、逆撃シリーズは歴史改変の難しさを示唆しているのだろう。
逆撃ハンニバル戦争カンナエ会戦感想

逆撃 ナポレオンワーテルロー会戦〈上〉 (C・NOVELS)
柘植 久慶