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クリムゾンバーニング合衆国解放1 三木原慧一

 連合軍と赤化アメリカ合衆国の最終決戦。クリスマスまでには戦争を終える特別な条件交渉によって4日間の限定的だが、それゆえにあらゆる資源が集中投入された煉獄の戦いの幕が上がる。

 それもこれも全ては合衆国の首都ワシントンDCが変な位置にあることが原因といえなくもない。この世界においては敵性国家であるカナダ国境との距離が近すぎる……まぁ、北朝鮮とソウルの位置関係も似たようなものだし、アメリカ南北戦争でも互いに首都が近い状態で戦ったのだからなんとかしようとすればなんとかなるのも事実。
 戦線が圧密されていることにより航空支援や砲撃支援の猛威がさらに強まっており、高度な情報処理が勝敗に大きく寄与している。その点で後れを取っている合衆国の優に5年は先をいっているとされる連合軍は地の利の差を情報処理で埋めている形だ(超高性能暖房器具PSX3は悪趣味極まるが)。
 それがあまりにも極端なので悪趣味な権力者たちに「戦場劇場」を提供してしまっているほど……スターリンも似たようなことをやっているが彼の場合はちゃんと戦争指導しているからマシだ。辻や東条もそうだが変な人物を見直すことが多くなってしまっている作品だった。
 なぜならオリジナルキャラたちの狂気が史実キャラたちのそれを遥かに優っているのだから……島津のジジイや黄瀬かすみは本気で死んでほしい。たとえ大局的に日本や世界のためを思っているのだとしてもやりかたが陰険すぎる。

 樋口とエイブラムズの精鋭戦車部隊同士の熱戦はいいとしても、エースパイロット同士の戦いが頻繁に行われているのには違和感があった。
 強敵は強者がひきつけることで味方の被害を小さくするという発想は一見頷けないこともないのだけど、もしそれで味方のエースが一方的にやられてしまったら余計に酷いことになるのではないか?むしろチームプレイに徹して実力は発揮させないようにするのが王道だと思うがなぁ……すべては末期戦ゆえの短絡的判断が許されたことに原因を求めるべきかもしれない。
 新兵器がのべつまくなしに配備されるのも同様の現象でもはや論理性を超えかけたところに彼らの目的はあると言っても良いのだろう。ある意味、自分たちは全力を尽くしたと信じるためのアリバイ工作、そんな側面さえあるのではないか。
 とはいえ、超巨大列車砲グスタフが9門も配備されているのには、たまげた。狂って一部の連中にしかまともな戦意がない超大国だけに極めて偏った超兵器の配備が行われている感じだ。

 さて、狂人伊達英明はこの修羅場を抜けてワシントンDCに立てるのだろうか?

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合衆国解放 1―クリムゾンバーニング (1) (C・Novels 83-9)
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三木原 慧一
カテゴリ:架空戦記小説 | 00:06 | comments(0) | trackbacks(0)

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