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楽しい鉱物図鑑2 堀秀道

 決定版というには凝ったつくりと微に入り細を穿つのはともかく話題があまりにも豊富で多様すぎることが気になる楽しい鉱物図鑑。続編が出てしまっているのも取扱いの難しさになっている。せめて1−2の内容を統一して検索を容易にした完全版がでてこないものか。

 そんな贅沢な不満はあるものの、この本は間違いなく傑作。とくにマニアックな鉱物を収録している2巻は、鉱物趣味の深さを味わうのに非常に適している――とはいえ、これでも入口の方であると著者が主張されているから恐ろしい。
 ちょっと珍しそうな鉱物を入手して「これは載っていないだろう」と調べた場合にもっとも当たりの大きいのは、この楽しい鉱物図鑑2だと思っている。

 収録されている標本の中にはふつうに著者自らが採集された標本が加わっている。多少は地味な傾向があるものの、決して他の標本の列の中で見劣りするものではなく、独自の風格を漂わせていることに、筆者の鉱物コレクターとしてのキャリアを感じざるをえない。
 まぁ、中には購入標本としても地味で岩石的なものもあるのだが、それにしても産状をよくしめしており鑑定の参考になるようなものが選ばれている。そんな中に思いもかけない鉱物が美しい結晶をみせて奇襲してきたりするから効果的なのかもしれない。
 あらためてみるとブラウン鉱の結晶写真がやけによかった。カコクセン石や銅スクロドフスカ石、マンガンブラックの悪魔が血を滴らせたようなパイロクスマンガン石の美麗な姿には前々から目を付けていたけれど。

 そして有名産地の標本の中には共産鉱物として複数のものが掲載されている場合があり、これが後々役に立ったりするのだった。
 ユタ州産のビクスビ石にシナモン色のトパーズが共産することは知っていたが、擬板チタン石はノーマークだった。今度、ブースに並べられたビクスビ石の標本をみるときは注意深く観察してみようと思う。

 かくのごとく、読み返すたびに鉱物趣味を進歩させ、楽しみの幅を広げてくれる素敵な図鑑なのである。

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楽しい鉱物図鑑〈2〉
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堀 秀道
カテゴリ:地学 | 12:41 | comments(0) | trackbacks(0)

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