<< 鋼鉄の紋章〜赤い帝国 三木原慧一 | main | 鋼鉄の紋章3〜武器よさらば 三木原慧一 >>

鋼鉄の紋章2〜最高の定説 三木原慧一


 そういえば坂井三郎氏にもご執心だったなぁ――斎藤何某や宗像はお約束みたいなものだが、お約束にしてはアクが強すぎるところがある。まぁ、彼等にふりまわされる周辺人物に局限状態に直面した人間だけが醸し出せるたぐいの面白味が生じるのはいい点だ。

 ソ連・イギリス間の密約と世界を革命する力を持ったトロッキーの老害化によって日本海軍の主力艦が相当数沈められ、内閣から海陸軍のおもだった将校が爆殺されてしまった事を奇貨として、改革に邁進する日本の姿は興味深かった。
 まるで911後のアメリカが取るべきだった理想の方向性を示しているかのよう――ああいう極端なパニック状態ではビジョンを持った機会主義者の個性こそが力を発揮するのだな。そんな時期に人材を得られるのは幸か不幸か……かなり運を問われてしまうのは間違いない。

 イギリスとソ連に挟まれて頼りにしなければならないのがフランス・オランダ(いちおう日本)なんて窮地に追いやられているドイツが憐れだった。今後の展開で酷い目にあってしまうことも確定しているしなぁ。
 しかし、アメリカとの接近なんて理想的な展開を想像すると妙に悪夢的に感じられてしまうから不思議だ。いまいち相性が悪いといわざるをえない……。

 政治的な動きに走りすぎてハードウェアやバトルの実際が控えめになっているせいで、はっちゃけているのに重い印象を与える内容になっているのはちょっと勿体無かった。

三木原慧一作品感想記事一覧

鋼鉄の紋章〈2〉最高の定説 (ワニ・ノベルス)
三木原 慧一
カテゴリ:架空戦記小説 | 12:24 | comments(0) | trackbacks(0)

スポンサーサイト

カテゴリ:- | 12:24 | - | -
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://sanasen.jugem.jp/trackback/831
トラックバック