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鋼鉄の紋章3〜武器よさらば 三木原慧一

 さらばって合衆国の地を旅だって戦場へ逝ってらっしゃいの意味か……いろいろと壮大なオチのある巻だった。鋼鉄の紋章はともかくスターリンをそっちに持っていくとは恐ろしく趣味が悪い。だが、事件と人格を強固にリンクさせて一挙に生彩をおびていく存在を仕立てあげる描写はあいかわらず素晴らしいと思った。
 ヒトラーが元気一杯なのも、その辺の反射率の高さが影響しているのかもしれない。

 しかし、初期に紹介されていた未来像を思えば物事はそう簡単には進まない。ちょっと萌えキャラ化していたチョビ髭総統も最後まで順風満帆とはいかなければ、苦労人の模式標本と化しているトハチェフスキー元帥にも栄冠はやがて輝くのだ。
 その喜劇、悲劇、喜劇的悲劇、悲劇的喜劇、なんでもござれの姿勢こそが一種のリアリズムをもたらすのかもしれない。誰もが生きるために戦いを続け、勝負は終わってみるまで分からない――明確な終わりすら分かったものではないのだ。
 だからこそ歴史はおもしろく、現代がその延長線上に存在していることを意識できた。

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鋼鉄の紋章〈3〉武器よさらば (ワニ・ノベルス)
三木原 慧一
カテゴリ:架空戦記小説 | 12:22 | comments(0) | trackbacks(0)

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