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教範遊撃隊血風録3〜ソロモン海、燃ゆ! 林譲治

 米国内の政治状況がかなり悲惨なことになってきた。全巻からその兆候はあったが、ここに来て連絡不備の弱点が完全に露呈し、軍事的にも政治的にも取り返しのつかない失態を繰り返している。ちょうど教範遊撃隊が解決しつつある問題で足元をすくわれているのが皮肉でならない。
 まぁ、アメリカにとっては戦争がはじまってまだ間もないから、問題の認識には時間が掛かり、軍隊組織が大きいだけに問題の慣性も大きいってことだろう。何よりも負担になっているのはそんな状態でも作戦行動に出なければならない政治状況に立たされていることだ。
 それをもたらしているのはアメリカ海軍に失敗を許さない米国民の態度なのだから余計に悲惨な話だといえた。

 対する日本軍は教範遊撃隊の前線後方両面での活躍もあって有利に戦いを運んでいるが、彼らが哲学とする個性の否定には不気味なものを感じないでもない。いちおう組織の中で個性が発揮されることは是とするフォローがあるにはあったのだが、何故それをやるのか頭が働いている初期にはよくても後々教範が硬直したときにどうなるか――戦争に生き残れなければそんな贅沢な心配もできないわけで、まずは人間さえ平均化しながら戦える状態を構築するのが先か。
 それでもあれだけ暴れ回った畑野駆逐艦長の評価が微妙になっているのは納得しつつも残念に感じた。

 水上機母艦バンカーヒルで、情けないレーダー室班長が意外な一面を見せた出来事は教範遊撃隊の姿勢に対するアンチテーゼに見えないこともない……彼に関しては単に「不良が猫に優しくすると実際以上に良い人にみえるよ法則」が発動しただけか。

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教範遊撃隊血風録〈3〉ソロモン海、燃ゆ! (RYU NOVELS)
林 譲治
カテゴリ:架空戦記小説 | 21:15 | comments(0) | trackbacks(0)

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