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アルスラーン戦記13〜蛇王再臨 田中芳樹

 各国の陰険な策謀が張り巡らされる。策士の中には我らがパルスも含まれていて……ペシャワールの放棄は凄まじい手だ。ナルセスの期待を裏切るにはペシャワールの城を誰にも使えないように徹底的に破却するしかないか。
 まぁ、それをやって利益があるのは魔軍くらいのもので頭脳であるイルテリシュが望まないし、他はナルセスの狙いまで頭が回らない視野の持ち主なのだからやっぱりパルスのマイナスに働く目は少ないわけで、隣国の国王たちにとっては厄介な状況といえる。
 せめて互いの敵国がペシャワールに関しては手を出さないと密約を結べればなぁ。そこまで行ってもあまり利益にはならない感じで、ナルセスの策を相手にする側の苦労が偲ばれる。

 他には国内問題をまとめに掛かっている国がいくつか。
 ミスル国のヒルメス元王子が少ない人材を家庭の主婦みたいにやりくりしているのが好きだったのだが、しょうもない相手に大隊長のひとりを失ったのは残念だった。ぶっちゃけ十六翼将が二十日しか揃わなかった事よりも重大事に感じちゃうんだよね、比重の問題で。ここはミスル人の部下が成長して行くことを期待しよう。
 ワンマン的なヒルメスとラジェンドラは共通の悩みを抱えそうなのに、キャラクターの深刻さがこうまで違うのは一体なんだろう?かなり面白い対比である。

 なんとも掴みどころのないアルスラーンについては色々いってきたけれど、エステルの死に際したことは御気の毒としか言いようがなかった。各国出身の将軍連に恵まれても、各国出身のハーレムをつくれる展開には恵まれないようだ――まぁ、その方が全体的には幸せそうだけど、男の夢は後者かもしれない。
 あんないたいけな娘まで死の危険に絡めとらせる辺りは流石に田中先生だと思った……冥福を祈る。

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蛇王再臨 アルスラーン戦記13 (カッパ・ノベルス)
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田中 芳樹
カテゴリ:ファンタジー | 22:24 | comments(0) | trackbacks(0)

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