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死に至る街 大石英司

 ぞんびぞんびー。やっぱりゾンビものは面白い。午前3時までかけて一気に読んでしまったよ。

 北海道は札幌市の近郊にある蛍市でバイオハザードが発生。強化された狂犬病菌に冒された人々や野犬が殺戮マシーンと化して暴威をふるう。
 これに対処すべく出動するのはやっぱりサイレント・コア。そういえば音無のとっつぁんには出番がなかったなぁ。土門氏がいい感じに後釜にスライドしている気がする。

 ともかく今回の主人公は司馬小隊のシューズこと御堂走馬。ひとりずつ隊員に焦点をあてていく流れができている。主役を張った話ですっかり親しんでしまったリザードの大活躍――人生経験を反映したセリフがいちいち厄い――はどっぷりと楽しめたし、シューズの今後にも期待だ。

 ただ、サイレント・コアがでてくるだけで物凄い安心感を覚えてしまうようになったので、緊張をそいでしまうのも感じた。その点ではいちばんおもしろかったのは地域住民が集まってバリケードを作っていた話だろう。
 特殊部隊員が優れた兵器をあやつっている隣で、一般人が銃のひとつもなくゾンビに立ち向かうのは強い勇気を感じさせる。いちばん勇敢な良キャラクターだった、教頭にいたっては悲しい事になってしまったけれど……来栖警部補が残っただけでもよしとするべきか。彼女には是非再登場してほしい。

 オチでは人間に破壊された生態系の狂ったサイクルが牙を剥いたことよりも、吊り橋効果が印象に残った……たとえ吊り橋効果願望があったとしても動物を無責任に捨てるのは止めよう。

死に至る街 (C・NOVELS)
死に至る街 (C・NOVELS)
大石 英司
カテゴリ:SF | 22:19 | comments(0) | trackbacks(0)

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