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戦略・戦術・戦史Magazine 歴史群像 No.45 真珠湾作戦

芸州 亀居城
 あまりよい評判を聞かなくなってしまった福島正則による海岸に築城された対毛利の城。中国地方の陸上では狭く、海上では広い交通路を管制するための仕組みがたいへん興味深かった。イラストだと北側の鞍部を突破して東に回り込めそうにも見えるのだが、無理にそこを突破しても港を落とすだけの機材をそろえるのは大変かなぁ。むしろ各個撃破の危険を招くだけなのかも。

海防艦占守
 かなりの高性能艦だったんだなぁ。間違いなく良いフネではある。だが、その後の発展を考えると良い「兵器」だったかといえば難しい問題を多く抱えていたようだ。まぁ、この船の責任というよりも海軍の思想がおかしかったのが悪い。

軍用気球
 ちょっと優雅で、でもやっぱり戦争の道具であることを意識させられる気球の話。下にいる味方が一掃されて降りるに降りられなくなってしまったら、嫌だなぁ、などと子供っぽい事を考える。上げるときから重要な高地にあるだろうし、そこまで事態が急転する可能性は低い。
 イラストの北軍兵士が「いかにも」な風貌をしていて面白かった。

鬼ノ城
 設計思想的に芸州 亀居城に接近するものがあるので比較のうえでも面白く読ませてもらった。時代と百済の技術の影響なのだろうが、日本の城郭というよりもマサダの城塞か何かのようにみえてしまう。
 本来の目的に使われることがなくて良かった。当時の日本人がもっていた大陸への距離感はそうとう近かったようだ。

連合艦隊 最後の日
 回避運動もロクにできないのは本当に寂しいなぁ。武装すら外されてしまった後のことを考えると鉄槌〜1944迎撃!本土決戦!!でやっていたみたいに鉄原料にするくらいしか使い道がない気がしてしまう。葛城の迷彩は有名だね。

ドーヴァー城
 またもや海岸の城塞。複数の時代の構造物が複合した様子がとても興味深かった。現代戦で本気の攻撃を受けていたらこんな形は保てなかっただろうけど……。
 いっぺんに複数の時代を楽しめる事もあり、一度行ってみたくなってしまった。

戦略分析 真珠湾作戦
 なぜ山本五十六は真珠湾作戦を主張しなければならなかったのか、という戦略的な視点から分析をくわえた記事。有名な漸減邀撃作戦が最初から実効性の怪しい戦略であった現実が悲しい。精緻な作戦こそ時代の変化にあわせて見直しを繰り返していかなければならないのに、精緻だからこそ金科玉条にされてしまうのだった。
 もしも太平洋戦争が石炭時代のものだったらどうなっていたかを考えるのは興味深いかもしれない。航続力の問題がアメリカに圧し掛かる力も増すだろうし――そんな戦略状況が現れるかはまた別問題。

決戦!摺上原
 伊達政宗の遅すぎた勇躍。勝利をおさめた後には北条氏に匹敵する石高を誇っていたことが興味深い。もともとの下地はできていたのだし、時局さえ許せば……と、どうしても考えてしまう大名である。
 でも、鮭様こと最上義光のほうが好き。
 北国では積雪によって軍事行動が難しくなる関係で外交が重視されるという話も勉強になった。そんな地域だからこそ政宗の鮮やかな軍事行動が目立ったのかもしれない。

城濮大戦車戦
 世界戦史2〜英雄かく戦えり で感想済み。子玉は戦略レベルでは怒りにかられやすく、戦術レベルではやたらと冷静という変な人材だなぁ。ちょっと好きになってしまった。まぁ、手元から離しちゃ駄目ね。

ステルス兵器大研究
 陸海空で戦闘レンジが異なる事によって生まれるステルス事情が興味深かった。スウェーデンのステルス艦はいかにも近未来的なデザインをしていて格好がいい。なかなかよい基礎勉強になったと思う。

ティーガーVS.T-34-85
 生産数がすべてと思ってしまう私は戦車マニアとして甘いのだろうか。せめてティーガーが第一波を凌いだ段階で後退する体制が、最初からつくられていれば評価を変える気になるのだが……カッコイイが重量に思いっきり反映されている避弾経始を考えないデザインが全てを物語っている。
 T−34/85も万能からは程遠いが、マクロで問題を解決する体制ができていたことの違いは大きい――けっきょく私は純粋な比較ができていないのかもしれない。

戦国槍隊戦術
 槍をあつかう武士のユニットの話はおもしろかったけれど…まとめがちょっとなぁ。騎兵の問題は馬の体力よりも地形に還元されるべきものなのではないか。長柄を扱う足軽も起伏に影響を受けてしまうのはピュドナの戦いと同じわけで、最終的に鉄砲が流布したのも無理からぬ話だ。

ジープ空母の造り方
 なんか、ここまでやられると病的なものさえ感じてしまう。アメリカ人はお腹一杯を感じることがないのだろうか――あれだけ大量生産した船に人員を送り込み続けられるシステムが凄いよ。日本側からみれば、その点でも真似のしようがない。

大山祇神社
 海賊と武士が絡んだ歴史が反映されている神社。実におしだしの効く甲冑の写真が印象的だった。格好を付けることは、新興勢力にとっては特に大事だったようだ。

「ラジャ・フマボン」の数奇な運命
 驚くほどの長命艦……アメリカの大量生産が粗製乱造ではなかったことを如実に証明している。現代的にみれば護衛駆逐艦の排水量も、それなりに余裕のあるものだから、いろいろと兵装をいじることで現役の地位を保たせやすいのかもしれない。
 少し雪風を思い出した。

機械伝説
 横にひらく仕組みがなんだかイイ。基部の目盛などに「仕事」を感じた。

インタビュー 長島厚
 占守島でソ連軍の侵攻と戦った方のインタビュー。非常に純粋な軍事の話題に終始しており、明るい印象を受けた。当時の年齢的に考えればそれが自然なのかもしれない。戦車の戦力差についても何とかできる地位ではなかったのだし。
 戦後は海上自衛隊に入られているのも興味深かった。そちらはそちらで逸話を聞いてみたい。

試製四式七糎噴進砲
 ほんと、何で間に合わなかったのかなぁ。実戦部隊からも期待をかけられなかった話を読むと義務教育の段階から問題があった気がしてしまう。いまの日本は大丈夫なんだろうか。

「塀」と「挟間」で敵を攻撃
 二階建てにした塀がベストと主張されているように見える……現実問題として場所によって効果的なモノは異なるに違いない。江戸時代になると完全に鉄砲での戦いを意識した構造になっているのが興味深かった。

佐藤鐵太郎「帝国国防史論」
 やっぱり良く分からないところがある……著作の存在感が大きすぎて本人がぼやけてしまうのか。段々と主張が時代に合わせたものに変化していっている点がいささか寂しかった。
 対比的な存在だったとしてもT字戦法の件で秋山真之にケチをつけるのはいかがなものか。

日系二世第442連隊戦闘団
 写真で見る日系二世たちは海兵隊のように頑健な身体をもっているわけではなく、むしろ弱々しい印象さえ与えた。それでいながらアメリカ最精鋭の部隊になってしまえたのは、ひとえに「根性」の産物なのであろうか。ハワイの母親が息子にかけたという激励は、明らかにスパルタの逸話を元にしており、新聞社辺りがつくった美談っぽい。強いというよりも、ともかくめげずに戦い続ける姿は印象的で、上官にそれなりに理解者がいたことはアメリカの懐深さを評価させた。
 でも、ダールキスト少将はクズ。

ズールー戦争
 優れた戦術はどこまで装備の劣勢を覆せるのか、という視点で興味深い戦争である。イギリス軍は余計な首を突っ込んだようにしかみえないけれど、ズールー族が火砲の装備に成功していたら――と想像すれば恐怖を抱くのも分かる。なら油断するなって話でもある。まぁ、イギリス人だし。
 ディンギスワーヨとシャカ・ズールーの関係が利を含みながらも感動的だった。

サン・ナゼール奇襲作戦
 ティルピッツへの恐怖にかられて発動されたフランス大西洋岸の港への恐るべきコマンド作戦。こういうのをみると第二次世界大戦でもヨーロッパでは大艦巨砲主義が支配的だったことを感じる。通商破壊戦の視点からみてもサン・ナゼールの爆破は大きいんだけどね。
 絶望的な状況からフランスを突破してイギリスに帰還したコマンドが4人もいたことに驚く。それだけで充分にひとつの物語になるであろう。

バルバロッサ作戦Act.5 モスクワ前面
 冒頭の文字が重い……徹底的な寸土を争う戦闘の連続に吐き気すらもよおした。塹壕に投げ込まれる手榴弾の絵が強く記憶に残る。
 やっぱり戦争は兵站だねぇ。ひたすら正面に資源を集中すれば、最大の戦闘力を発揮できるとは限らないことを教えてくれる。
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