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戦略・戦術・戦史Magazine 歴史群像 No.38 マンシュタイン戦記

異郷に嫁いだ絶世の美女 昭君塚遠望
 宮廷画家は気を利かせたつもりだったんだろうな……ウザいことを。余計なことをしていないので、まさしく道具として使われてしまった女性の悲しさをしみじみ思うことができた。

駿州田中城
 どうせ安部川方面に入るには凄まじい要害の地を越えなければならないわけで、どれだけ守備力が必要なのかは疑問に感じてしまうところがあった。移動する兵力の拠点としては重要だろうが、維持するかどうかは状況に応じて決める感じかな。
 ある意味、非常にわかりやすい縄張りが魅力的だ。

三式戦「飛燕」B29を馬乗り撃墜
 ……凄いことをやってくれるなぁ。B29の乗員が感じた恐怖と陥ったパニックを想像してしまった。これで仕掛けた搭乗員が生還していることが見事だ。

九十九里大陣地帯
 あくまでも火力で戦うことを念頭においている点に軍事的な「良心」みたいなものを見た気がする。それでも敵中孤立の死守を強要せざるをえないことは厳しいものがあるけれど。
 本土決戦でも制空権に自信をもてなくなってしまったのは悲しい話だ。そこでちゃんと降伏を選択できただけマシ?

テニアン島を行く
 兵どもが夢のあと……軍事的緊張感がほとんどなくなっていることに時間の流れを感じた。しかし、小学校の前に機関砲が放置されているのは――現代の日本的な感覚では凄まじいなぁ。

上陸用舟艇
 何だかんだいって英米も日本からパクれるものはパクっていたと……日本陸軍が局所的にしめす先進性の高さは不思議だ。これで海軍との共同がうまくいっていれば。
 イラストの船尾に立っている腕組みした人は、ふんどし一丁姿でも違和感がない。

潜水母艦 大鯨
 終戦まで生き残ったのか……ちょっと嬉しかった。いろいろと意図しないところで利点が発揮されている兵器だ。下手に海軍の意図が含まれるとロクなことにならない印象すら抱いてしまっている。

要塞都市アテナイ
 全身全霊をかけたエゴイズムの表現!アテナイの城壁はやたらとそれを強烈に感じさせた。もう少し、こう…オブラートにくるむとか……明快な態度にかえって好感をもたないでもない。ローマと違って衛生設備にまで気が回らなかった――様々な理由から回しようもあるまい――のが、不運だったな。

マンシュタイン戦記
 このタイトルならもっと全般的に描いてほしんだけどな……独ソ戦の大部分に触れる羽目になるから無理か。
 ひとまずセヴァストポリ要塞攻略戦に対象を限定しているのは、さまざま戦術が展開されている点でも正解なのだろう。多様な戦術を巧みに駆使できるマンシュタインも凄いが、それに応えられるドイツ軍も相当なものだ。その正面に立つはめになってしまったソ連軍こそ不幸と思われた。
 火砲の集中みたいな真似は「政治力」にまで関わってくる気がする…。

武田勝頼奮戦譜
 武田勝頼はけっこう人気のある武将に思われる……まぁ、先代との比較から批判しやすいし、だから再評価も頻繁に行われることになるのだろう。
 得意の絶頂にあった時期においても、自分がなぜ成功しているのかを正確に分析できていなかった印象を受けた。そんなんじゃ落ち目になってからの粘り腰を発揮できるわけもなく――もともと抱えていた国境線の広さの問題が仇となったようだ。父の威光が意識を占領しすぎて、戦国武将として基本的なところに目が行き届かなかったのかもしれない。

サラミス大海戦
 テミストクレスの鬼謀がペルシアの大軍を屠る。内通偽装の謀略など出来すぎにさえ感じられてしまった。なんだかんだで国際的な視野の広いギリシア人だからこそなしえた大逆転だったのかもしれない。カルタゴの名前がでているあたりに「地中海世界」を感じる。
 実際のところ古代人の判断はどんな感じだったのかなぁ。おそろしく論理的にみえるサラミス大海戦の展開を追っていると興味が湧いてきた。まぁ、全てをいっしょくたに扱おうとするのも無理があるか。

突撃砲大研究
 対戦車戦に使われてしまうところが凄いけど悲しいわけで……駆逐戦車に任せたいところではある。優れたコンセプトも、そもそも狙った戦闘ができなくなれば活かせなくなるのが必然だ。それでも有効な使い道をみつけられた突撃砲の発展性は見事だった。そして、第二次世界大戦で発展しきってしまったようだ。

デコイ大作戦
 執筆者が林譲治氏であることに凄く納得。いかにもこの手の話が好きそうだ。かなりトリビアの集合になっているところがあり、混乱しつつも楽しく読ませてもらった。ドイツ人とイギリス人の化かし合いは国民性のおかげか常にイギリス人の勝利――といっても途中で打撃を与えられているのだから手数の問題もある。

信康自刃に秘められた三河武士団の陰謀
 信長も岐阜、滋賀と拠点を離して行っているし、この記事を読むと愛知って何だろうと思わないでもない。人間の性質に根本的な何かがあるのでは?たぶん、生産力はずば抜けていてもそのまま天下の中心にはなれないのだろうなぁ。
 自分の息子といえでも容赦なくスケープゴートにしてしまえる家康の現実的政治家ぶりに慄いた。そのおかげでカリスマを帯びるようになっていったのかも。

局地戦闘機発達史
 せめて陸軍との間に協力体制ができていれば……局地戦闘機に専念するべきだった気もするが、まったく反撃しないのではジリ貧も覆せないわけで、分業が落ち着くところと感じる。ただでさえ少ない人材リソースをどこまで細分化させれば気が済むのかなぁ。
 いくらなんでも堀越技師が倒れた時点で気付いてほしかった――そういう人間的な観点が欠如しているから、ああなったんだろうけど。

土浦武器学校
 チハたんがない…だと…!?性質上しかたのないところはあるのかもしれないが、唯一惜しいと感じる点であった。いや、銃器が常に見れないのも残念だけど。三式中戦車の写真は武骨を通り越して簡素な印象を与える。

機械伝説 No.8
 フランス、日本〜のところだけ団子になっていて、他はわりと独自色があるのかな。日本陸軍ヘルメットの逸話が物凄かった。

信長の独断 織田信長とマッハ
 著者が感情移入しすぎていて怖い……よほど今信長を名乗る人に不満が鬱積していたのだろう。まぁ、某漫画にあわせれば始皇帝の真似をするようなものだしなぁ。
 オチには飛んだ。

戦国三河路を歩く
 分家ばら撒きの繁殖力の強さは家康の時代になっても受け継がれている……このツアーには結構本気で参加したくなった。70代の方に体力で負けると立ち直れそうにないけれど。
 北条早雲は流石にフットワークが軽い。三河山間部の話に名前が出てきて驚いた。

インタビュー 上田毅八郎
 自分の乗った船が6回も撃沈されたというとてつもない経験をされた人。ここまでくると運で説明するのもはばかられるなぁ。常に革新を怠らない姿勢に深く感銘を受けた。
 静岡市在住なのは、田宮模型との関わりに強く影響していそうだ。

よくわかる築城術入門2 敵兵を「虎口」で討ち取る!
 敵がどんなに大軍でも士気の問題があるから討ち取ることは重要なのだ。ろくに戦果をあげられないまま損害ばかりが増えていけば、その心理的圧迫感も「防御」になる。そんなところか。

二式小銃
 ある意味、幸せな余生を送ったのかもしれない兵器。それを渡される方は完全に不幸だったけれど…。用兵側の性質を無視すれば良い兵器だったと思われた。

戦国合戦次第
 戦国時代の合戦が体系的にまとめられていて非常にためになる記事。城が攻防の中心になるのもその根元にあるのは「兵站」の思想である。戦争を規定するシステムの姿について思いをはせずにはいられなかった。

クラウゼヴィッツ「戦争論」
 ナポレオンの賜物、クラウゼヴィッツの戦争論。けっきょく最終的な勝者の方が多くを残す――とまでは言い切れないのがナポレオンの偉大なところ。絶対戦争であっても「攻撃目標の選択」を厳密に行ったうえで戦端をひらくことが重要らしい。

ペリリュー島攻防戦
 指揮官であった中川大佐が考えていたことが非常に気になる。万歳突撃で玉砕しなかったのは本人の意思ではなく、司令部の考えのようだが……正しいけれど、前線の兵士には非常に酷な命令だなぁ。
 端から端まで砲弾が届くような島で、終戦をすぎても戦争が終わらなかった事実が凄い。米軍の戦略目的もあるんだろうけど、洞窟が多い環境の特異性にも注意したい。

匈奴遠征記
 世界戦史 歴史を動かした7つの戦いにて言及済み。衛青カッコイイよ衛青。

武蔵、咆哮!!
 レイテ沖海戦でのifを描く武蔵が主人公の架空戦記。6対1の砲撃戦で勝ってしまうのはとんでもないが、陣形を乱して戦力がまともに集中できないように展開している点は説得力があった。
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