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虎07潜を救出せよ・上 大石英司

 東シナ海、日中の排他的経済水域の境界線上近くで韓国の潜水艦が着底にいたる事故をおこしてしまう。おりしもその付近にあるガス田のプラットホームはテロリストによって占領されていて、日中韓みつどもえのパワーゲームがはじまってしまう。
 情報は握っていても中立的な立場にあるアメリカはいいとして、能力的に蚊帳の外もいいところな北朝鮮が空しかった。いや、韓国だって普通の事情なら関わってくる海域ではないらしいのだが――額面どおりに日本の潜水艦封鎖を狙うなら情報をえていなければいけない海域なんだけどなぁ。
 作中で描かれる韓国の立場や実力が、対日に強硬な姿勢は予算獲得のためのブラフであるという説明に説得力を与えていた。

 しかし、嘘も繰り返していれば本人さえ信じてしまう。特に道理のわかっていない世代がそのまま大人になった場合の未来図が恐ろしすぎる。麻疹のようなもの、という「大人」の判断を信じても本当に大丈夫なのだろうか。
 第二次世界大戦の日本をみればかなり危ない橋を渡っていることに気づけるはずなのだけど、何故か下にみる相手と同じ轍を踏みそうな世論なのであった。

 まぁ、メインの問題は潜水艦の救出と、プラットホームの奪回の方か。特に潜水艦救助は難易度がひじょうに高いことが知られているので、そこに政治的な事情が関わってくる――さらに気象条件まで敵に回る――シチュエーションはスリリングだった。
 3ヶ国の各組織の構成員がでてくるので非常に賑やかなのも楽しい。個人的にはプラットホームの労働者視点が特に興味深かった。

虎07潜を救出せよ〈上〉 (C・NOVELS)
虎07潜を救出せよ〈上〉 (C・NOVELS)
カテゴリ:架空戦記小説 | 22:07 | comments(0) | trackbacks(0)

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