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戦略・戦術・戦史Magazine 歴史群像 No.75 マリアナ航空決戦

上総万喜城
 おおざっぱなデザインが分かりやすくてイラストを愉しみやすかった。巧緻な城もいいけれど、私にはこのくらいの縄張りが落ち着いてしまう。ちょっとフレンチ・インディアン戦争のケベックに似ている印象を受けた。

帝国陸軍空挺部隊
 宝の持ち腐れはいいすぎにしても、戦局が有効性に与えるどうしようもない影響はあるもので……それで投入されずに助かったならちょっとはプラスと思えるのだけど、実際には無茶苦茶な作戦に使われてしまっているからなぁ。やりきれない。

重雷装艦 大井
 いかにも極端な発想をいだく日本人らしい兵器……よくこんなにリスクの高いものを運用する気になったなぁ。ある種の単純さに魅力を感じないでもない。
 図のキャプションが本数の計算を間違っていた。片舷発射は20本までしかできないはず。

ハーフトラック
 過渡期的な兵器という意味では突撃砲に通じるものがある。ドイツのSd.Kfz.251が同時期の戦車よりも避弾経始を考えているらしいのは皮肉だ。M3との比較にドイツとアメリカのお国柄が感じられた。

インド大反乱
 一体感をもって大反乱をおこすのではなく、大反乱が原因となって一体感が醸成されていくというパラドックスがおもしろかった。確かに一緒に戦えば同胞意識も湧くというもの。
 分割し、統治するのがイギリスのやりかたなのにヒンドゥーとムスリムを同時に敵に回してしまうライフルの脂問題は高くついたなぁ……最新の兵器を与えてやろうとしたことが叛乱の原因になるのだから世話はない。

館山海軍航空基地
 防空壕の地層に興奮してしまった。巡検の訪問先としても良いのではないか。多様な施設がそろっていて見応えがありそう。

マリアナ航空決戦
 ……残念すぎる。戦争指導の混乱っぷりを酷く感じさせる話だった。せめて山本長官が存命だったらここまで悲惨なことにはならなかったかもしれない――勝ち目がみえるわけでもないけれど。
 戦う前から負けているのに、戦いを挑まざるをえない。そんな状況に追い込まれていった前線の将兵が可哀想だ。
 航空基地の不沈空母ぶりに頼るならばその補修能力も向上させてくれないと説得力がないなぁ。

文禄大乱
 秀吉の雄大な意図はそれなりに納得できるものだったが、まぁ強引過ぎたよね……電撃戦を仕掛けて首都まで突っ込んだことがかえって後方連絡線を長大にして義兵相手の不利を招いたのだから戦争は難しい。
 交渉相手としてひたすらに政府や王を意識しすぎたあまり民衆感情が考慮から落ちている。農民出身の秀吉がやるから皮肉な失策だった。

草原の覇者ティムール
 生首で塔をつくるのが大好きなおっちゃんだ……文化を愛するわりには数で文化の基盤を支える発想が根付いていないのが悲しい。特異的に高い技術が存在していても後が難しいんだよ――その辺に遊牧民的発想の限界をみてしまった。まぁ、彼に対抗した農耕民たちの発想の限界よりは大人しいが。
 それにしても有力な後継者が二重に死んでいるのが惜しまれる。殺し過ぎたことのバチがあったようでもある。バヤジット祇い呂弔い討佑Г覆 

国産発動機開発史
 やはり誉が話題になってしまった……軍部の連中は霞でも食っていきていたんじゃあるまいか?そこそこ使える大出力発動機もあったのに問題の多い機種に戦争資源が費やされてしまったことは悲劇的な愚行というより他にない。
 ただ、水冷発動機の流れをひとつは維持したかった気持ちは分からないでもなかった。短期間で発動機の開発技術をものにしたことは凄いと思った。

ガトリング・ガン
 当然のようにるろうに剣心を思い出していた。ハッタリの効く平気だから少年漫画への投入は必然みたいなものなのだろう。
 ガトリングの人生がまた興味深い。コルト社はガトリングに酷いことしたよね。

化学戦
 有効性のあることがエスカレートを助長し、対策によって有効性が薄れても過去の実績から廃止ではなく新規開発の方向に走ってしまうという暗澹たる有様をみた。
 ドイツにおいて化学兵器の材料が余剰状態にあって、積極的に兵器利用された点は劣化ウラン弾に通じるものがあった。こんな真似を自分ちの近くでやってれば、アメリカに追い抜かれて当然だわ。

THE WAR MOVIE 23回「空の神兵」
 タイトルは知っていたが意外とファンタジックではなく実録的な映像作品だったようだ。この方が後世に至るも価値が残されやすいだろうなぁ。ドイツのプロットとハリウッドの演出を融合させたのが日本人らしい技といえなくもない?

戦場のミステリー 第8回呪われたUボート
 かなり不気味な話だが黒いやつが死ぬ前の怪奇現象は何だったのやら……U65と幽霊の間で呪いの綱引きがあったとみておこうか。

インタビュー 武田光雄
 経験も凄ければ家柄も凄い人。もしも戦争が起こっていなければ、どんな階級まで出世されたのだろうか。終戦まで生き残った殊勲艦である隼鷹での経験団が興味深かった。やはり艦ごとの空気というのは強いものらしい。

八王子千人同心
 最終的には寂しいことに……武士としての誇りに燃えながら時代に翻弄されてしまった悲劇性が際立っていた。その内実が士分の売り渡しによって多摩の豪農にすりかわっていたことも歴史の皮肉という他ない。

テンプル騎士団
 なかなか特殊で歴史を彩る存在としておもしろいテンプル騎士団の設立から滅亡まで……聖ヨハネ騎士団はいまだに存続しているのだから差の大きいことで。
 防御戦など使いどころを間違えなければ強力で貴重な戦力になるのだが、戦略的な扱いが偉く難しくかといって単独で戦闘を行える組織とも言い難い、そんな問題点を感じた。少なくとも書記は人材登用が柔軟なのと総長が見事に(狂気さえ感じさせて)指揮官先頭をこなしているのは素晴らしい。

ハイドラ作戦
 これだけの重爆撃機を用意できるイギリスは流石だと思った。マリアナ沖の日本軍とどうしても比べてしまう。オスロ・レポートやリスボン・レポートの歴史の裏側にあたる存在も興味深くて、ヨーロッパにおける戦争の深度を感じさせてくれた。

レバノン内戦
 キリスト教のマロン派がいつのまにか多くの人口を占めるに至ったマジックが気になる。宗教も関わる価値観の違いなどいろいろあるのだろう。一度の自爆テロで241人もの死者がでるのは正面からの戦闘では恐ろしいほど死者の少ないアメリカ軍には衝撃的な事件だ…。
 あと、戦艦ニュージャージーの艦砲射撃がなされていたことが気になった。

アフリカ軍団 Act.5 アフリカ軍団の終局
 やっぱりタイミングのよい撤退で戦力を残すのは大事だねぇ、と。チュニジアの戦いの記事を読んだ後だと緻密に描いているようで結構あっさりしているのが分かる。ロンメルのエラーについては触れていないし……。
 中盤から参加したアメリカ軍の損害がかなり大きくて驚いた。
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