津波防災を考える「稲むらの火」が語るもの 伊藤和明
2008.07.31 Thursday | by sanasen
スマトラ沖地震で発生した大津波に関連して注目を浴びた、かつて日本の教科書に載っていた「稲むらの火」の話に絡めた防災本。
稲むらの火は別の地震関連本で知っていたのだけど、印象から三陸海岸の話だと思っていたので、元になったのが南海地震の逸話であることに驚いた。まぁ、原作者であるラフカディオ・ハーンがそういう印象を与えるように話をつくっていたのだから無理もないか。
この話が多くの人の心に残ったのは、闇の中から力強く襲いかかる津波の恐ろしさと、庄屋が放った火の粉が踊るような炎の対比が鮮烈だからかもしれない。それだけでは災害である火災でもって、津波の被害を予防する発想もしたたかさを感じさせてイメージに焼きつく。
確かにいい防災教育になる話だと思う。
自分の身をふりかえれば国語の教科書に載っている作品からは「国語」として学ぶこと以上のものをいろいろと受け取った気がする。ただ、ひとつの目的のみを果たすために使うのはもったいないのだから、それぞれの教科が横断的に子供の意識を高められる教育ができていけたら素晴らしい。
ともかく津波災害の危険があるところでは良く注意して周りの状況を探るべきだ。おかげで津波警報の予行演習にまんまと引っ掛かって時間を無駄にした経験が私にはある……揺れがなくても津波が来ることを知っていたのが逆効果だった(まぁ、本当に流されるよりは絶対いいか)。しかし、あまりあれを繰り返すのも狼少年になって危険な気がするよ。
関連:海の怪物津波 ナショナルジオグラフィックDVD
津波防災を考える 「稲むらの火」が語るもの (岩波ブックレット)
伊藤 和明
稲むらの火は別の地震関連本で知っていたのだけど、印象から三陸海岸の話だと思っていたので、元になったのが南海地震の逸話であることに驚いた。まぁ、原作者であるラフカディオ・ハーンがそういう印象を与えるように話をつくっていたのだから無理もないか。
この話が多くの人の心に残ったのは、闇の中から力強く襲いかかる津波の恐ろしさと、庄屋が放った火の粉が踊るような炎の対比が鮮烈だからかもしれない。それだけでは災害である火災でもって、津波の被害を予防する発想もしたたかさを感じさせてイメージに焼きつく。
確かにいい防災教育になる話だと思う。
自分の身をふりかえれば国語の教科書に載っている作品からは「国語」として学ぶこと以上のものをいろいろと受け取った気がする。ただ、ひとつの目的のみを果たすために使うのはもったいないのだから、それぞれの教科が横断的に子供の意識を高められる教育ができていけたら素晴らしい。
ともかく津波災害の危険があるところでは良く注意して周りの状況を探るべきだ。おかげで津波警報の予行演習にまんまと引っ掛かって時間を無駄にした経験が私にはある……揺れがなくても津波が来ることを知っていたのが逆効果だった(まぁ、本当に流されるよりは絶対いいか)。しかし、あまりあれを繰り返すのも狼少年になって危険な気がするよ。
関連:海の怪物津波 ナショナルジオグラフィックDVD
津波防災を考える 「稲むらの火」が語るもの (岩波ブックレット)
伊藤 和明