歴史群像アーカイブvol.4 西洋戦史ギリシア・ローマ編 有坂純・荒川佳夫

 個人的にこの時期の軍事史がいちばんおもしろく感じることを再確認した。作文者がほとんど有坂純氏に偏っており、文脈のまとまりから非常に読みやすいのも特徴。歴史群像に収録された記事を編集したものにも関わらず連続性のあるストーリーを読み取ることができた。荒川佳夫氏が担当している部分も良かった。
 ちょっと不満があるとすればディアドコイ戦争の記事が収録されていないことか……歴史群像本誌でもっているからいいけど。

ペロポネソス戦争
 アテナイとスパルタ(ラケダイモン)古代ギリシアを代表する二大都市国家による激突が意外と30年戦争的にぐだくだなものであったことを描きだしている。けっきょくのところ戦争が起きてから何とか目的を達成できるシステムを整えているのであり、開戦前に目的に見合った軍隊を編成できない小回りの悪さとそれに反する根性の高さが古代戦を長期間に及ぶものにしがちだったのかもしれない。
 軽く触れられている細かい会戦については会戦事典 古代ギリシア人の戦争を参照すると相乗して楽しめる。さすがに海戦までは扱っていないが…。
 アルキビアデスのキャラクターが微笑ましく描かれている。彼がシチリアに遠征出来ていればシュラクサイを落とすことはできていたかもしれないと感じた。その後の戦略はさらに支離滅裂なものになっただろうけどなぁ…。

テーバイVSスパルタ
 唯一荒川氏が担当されている部分。ともかくエパミノンダスが格好いい主人公を演じており、歴史に対して偉大な意志を抱いた個人が影響を与える点においてもフィリッポスやアレクサンドロスの先駆けとなっていた印象を抱いた。

カイロネイアの戦い
 フィリッポスに高い評価を与えている玄人好みのなんとやら。もしもアレクサンドロスとフィリッポスの性格が逆だったら互いにこれだけの成果を上げることはできなかったのではないか。フィリッポスはもちろん、東征についてもアレクサンドロスのキャラクターだからこそあれだけの距離を引っ張ることができたのだと感じる。
 痒いところに手の届く良くまとまった内容になっていた。

イッソスの戦い
 戦略を追う限りメムノンさえ没していなければ歴史がどうなっていたかは分からない。戦域は小アジアに押し込められて、酷い消耗戦に終始した可能性さえある――そうなれば資金にものをいわせた政治工作に優れたペルシアが実を取っただろう。マケドニアも投資分は回収できただろうが。
 優れた戦略行動に浮かされて戦術的に不利な地形に飛び込んでしまったペルシア軍の評価に困るところがあった。まだ野戦築城の発想はなかったようで…。

カンナエ殲滅戦
 もはや何度も繰り返し記述を追ってきた戦いなので、著者の視点に興味が集中していた。共和制ローマ軍の評価が最盛期マケドニア軍や後世の帝国がもった軍団に比べてそれほど高くないことが興味深い。まぁ、かなり柔軟性があったとはいえ市民軍であることに変わりはないからな。
 中央がなんとか耐えた理由にもう少し説明がほしかった気がしないでもなかった。左翼の騎兵は本当に全てが右翼の救援に回ったんだろうか?ちょっとはローマ軍中央をつついていても不思議はない気がする――軽装歩兵もいるし小勢で襲い掛かるのは想像するより危険なのかも。

ザマ会戦
 カルタゴ本国による支援の姿勢について納得のいく描きかたをしてくれていた。まったくやる気がなかったというよりも方針が定まらなかったのと能力が制限されていたのが問題だろう。制海権を奪いきれないにしてもサルディニアさえ保持できていれば……そう考えると第二次ポエニ戦争を決めたのは第一次ポエニ戦争での戦後処理だったな。
 カンナエからザマの間にあった会戦の名をあげてくれているのに満足した。あまりに触れられることのない部分だから――詳細は市川定春氏に期待したい。

ローマ内乱記
 ファルサロスの戦いを焦点に共和政ローマ末期を代表する偉大な英雄カエサルとポンペイウスの争いを描いている。カエサルが犯した誤謬の数々が指摘されており、全てが良い方向に転んだ感のある英雄といえども無謬ではないのだと実感させてくれた。この辺は無責任と紙一重の「賽を投げてしまえ!」が代表しているのかもしれない。
 ポンペイウスの指揮がことごとく生彩を欠いているのはいろいろなものを得てしまった影響もあるのではないか。あれだけの名声をえてもなお前進できるカエサルはある意味、飽食した人間だ。もっと強い差はビジョンの有無であるけれど。
 それにしてもファルサロスの展開はズルイ。ハンニバルがあれだけ苦しめられた騎兵戦力の差をこうもあっさり覆されると戦史が悪い冗談に思えてくる(ヌミディア騎兵とローマ貴族騎兵を同列に扱うのは微妙とはいえ)。そういう点でもカエサルは始末に負えない人物だ。

アレシアの戦い
 なぜか時系列が逆転している部分。検証が行われているとはいってもおおむねカエサルのガリア戦記にそった内容になっており、歴史を書き残した側の有利を実感してしまった。
 カエサルの行動にも見通しが甘く、冒険的な部分が多々あることを指摘している点はローマ内乱記に同じ。たとえウェルキンゲトリクスがガリア王国を立てたとしてもハンニバルですら攻めあぐねたイタリアをどうにかすることは出来なかったであろう。ローマ内乱の展開にもよるが最終的にはゲルマンとローマの挟み撃ちによって緩慢に滅んでいった可能性が高いのではないか。ローマにとってのパルティアみたいな存在になれば面白いのは確かだが。

ローマ帝国の誕生
 ポンペイウスの遺児たちが粘っているのがおもしろい。もともと海賊討伐でならしたポンペイウスの次男が海賊の首領になってしまうのは歴史の皮肉であり政策の必然だったのかもしれない。
 人物伝でアグリッパの子孫が揃いも揃って外れの皇帝であることに絶望した。アントニウスの運命はあんなもんだろう。

ローマ軍団史
 帝政ローマさえ飛び越えてビザンツ帝国の軍団まで扱ってくれていて嬉しかった。けっきょくどんな軍制改革も硬直化すると共に負の側面が表れてくる傾向にあるようだ。その影響まで考慮して軍制を整えられる将軍は、もはや将軍の域に収まる存在ではない。マリウスはどうであったのやら。

西洋戦史 ギリシア・ローマ編 (歴史群像シリーズ 歴史群像アーカイブ VOL. 4)
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図説 戦国合戦地図集 歴史群像シリーズ

 表題のとおり戦国時代の合戦を地図をもちいて図説したものが一冊にまとめられている。細々とした合戦までを網羅し、戦術例の知識を増やすことを目的として読んだのだが、意外と珍しいと感じる戦いは少なくやや期待外れだった。
 図説で分かりやすいといっても、矢印表記で何枚もの図面を使って時間ごとの展開を表現しているわけではないし、表現方法が多彩に富すぎていて見慣れることが難しかったのも引っ掛かった。
 やはり著者が複数いることが問題のなのかもしれない。多少は偏っていても一貫した視点と体裁で無数の合戦を通して解説してくれる本が読んでみたいものだ……著者の体力がもつのなら。

 そんな中、意外と愉しませてくれたのが大阪の陣で展開された小競り合いの数々。戦略状況がそこまで混ざっていないおかげで素直に戦術をみることができた。

 まぁ、いちばん良かったのは折り込みにされている横長のイラストレーションかな。
 屏風のように異なる時刻の状況が一枚に描き込まれた物語のある絵図になっていて、その空間的な広さと戦国時代の様子と共に合戦を興味深くみせてくれていた。
 時間が経つのも忘れて見入ってしまう。

図説・戦国合戦地図集 決定版 (歴史群像シリーズ)
カテゴリ:歴史 | 22:19 | comments(0) | trackbacks(0)

戦略戦術兵器事典1〜古代中国編

 伝説の霞が掛かった殷周時代から三国志の時代までの古代中国の軍事について多角的な視点から解説と考察をくわえてまとめられた一冊。とくに中心となるのは春秋戦国時代であり、戦争が中国のあらゆる技術を発達させていき、また中国圏そのものを形成していったことが伺えて非常に興味深かった。

 前半は戦術や兵器などが見応えのあるイラスト付きで紹介されていて、あまりにも理想化された戦術の説明には――それがモデルであることを理解しつつも――違和感を覚えることがあったものの、いろいろと勉強になった。
 ただ、文章中でいわれる最新研究も今となっては15年前なので、いろいろと新発見があるのではないかと気になってしまう面はある。
 さすがにハードウェア関係の説明は退屈なところもあったけれど、戦術をより愉しむためには必要な知識だと覚悟を決めて取り組んだ。戦国時代にかなり洗練された外交関係の話では異民族対策において、物産の動きから通商路や進撃路が開拓される逸話がおもしろかった。

 そして後半がお楽しみの戦例集となる。
 四大決戦と称してそれぞれ春秋時代からは「城濮の戦い」、戦国時代からは「長平の戦い」、秦漢時代からは「呉楚七国の乱」、三国時代からは「赤壁の戦い」が詳細にとりあげられており、充実した記述を楽しむことができた――楚漢戦争がないのは少し惜しいが。
 さらに一つの戦いあたり1ページにうまくまとめられたデータファイルが非常に素晴らしい出来で、古代中国の主要な戦いについて大よその知識をえることができた。
 連続して紹介される戦争をみていても、周辺部にあって強大化する秦がもたらす圧迫感の激しさが伝わってくる。不利な時には戦争の埒外にあって国力を充実させられる彼の国に対抗するためには国土の拡張が必須であり、そのために侵略戦争を行うことが自国を疲弊さえ外交的にも付け込まれる原因になる状況はかなり泣ける。
 両方やや異民族的な国なのに楚が外交で失点して、秦がうまく立ち回っているあたりに国民性の力を感じてしまったよ。

 それにしても分裂した三国がすべて戦国七雄にカウントされてしまう晋はどんだけ大国だったのやら……。

戦略戦術兵器事典 1 中国古代編 (1) (歴史群像グラフィック戦史シリーズ)
カテゴリ:歴史 | 18:40 | comments(0) | trackbacks(0)

ふしぎ大好き!たんけん隊 岩石と鉱物 スティーブ・パーカー

 タイトルに期待したほど鉱物の話題はなく、一部のページが割かれている感じの子供向け学習本。化石などにも結構触れている。地形学まで触れるのが流石にやりすぎだと思うが…。
 身近な石から話を地球全体の歴史までに広げていき、後半では特徴的な石の一つ一つに戻ってくる構成がなかなか心地よい。全体に一本のストーリーが通っていた。

 見どころとしては数少ない鉱物写真のうちで濃い紫色の電気石があげられていたり、イギリス特有のチョークに触れた話題があったりしてことか。
 いろいろな地学的現象をもした実験や観察の勧めも――実際にやるには少しチープなのは気になるが――面白かったのだけど、イラストの子供が妙に怖い顔をしていたのがいけない。標本などのカラースケッチは上手なんだけどなぁ……。

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岩石と鉱物 (ふしぎ大好き!たんけん隊)
スティーブ パーカー
カテゴリ:地学 | 21:48 | comments(0) | trackbacks(0)

死の谷の狙撃手 鳴海章

 アメリカが育成したモンスター兵士「毒」を基軸に21世紀初頭の国際環境と紛争の種を扱ったアクション作品。
 描写が密にいっていて、非常によく取材をしていることが伺えた。狙撃手の「生態」を描いたシーンやホーネット戦闘機が発艦するシーンなどに並々ならないリアリティがある。ちょっとしたキャラクターの人生劇を取り出してみるのも上手かった。

 だが、全体の流れを統一して高みにもっていくことは、あまり上手くなかったようで、いろいろと話を展開させた割には小さくまとまってしまった気がした――いや、問題の大きさをいえばそうではないのだが印象があまり盛り上がっていない。
 まぁ、狙撃手の戦いはある意味「みみっちい」ものだからしかたないのかもしれないなぁ――みみっちい一騎討ち自体は楽しめた。一騎討ちというには観測手の要素が大きく響いていたけれど。

 実在の人物を登場させてしまっているのも特徴で、スーツケース核爆弾を入手しようとした人物がだれを指しているか分かったときの驚きは二重だった……そういうネタがなければ驚きもなかっただろうな。
 実際に組織を動かしているのは中堅、というのは昔からよくある話だ。官僚のやり方では責任感の所在があやふやになってしまう所がおぞましい。

死の谷の狙撃手 (ジョイ・ノベルス)
死の谷の狙撃手 (ジョイ・ノベルス)
鳴海 章
カテゴリ:架空戦記小説 | 22:32 | comments(0) | trackbacks(0)

データブック貧困 西川潤

 現在の世界に蔓延している貧困、格差社会の問題をグローバリゼーションとつなげて俯瞰している。どうも理想主義的に感じられる部分が目について、本当に上手くいくのか不安になる論理が展開されているのだが、さりとてどうしたらいいのかいまいち考えが浮かばずに悩んでしまった。
 グローバリゼーションに関していえば、経済活動の範囲は拡大しているのに、それを大規模に行う人間が活動範囲に対して相互発展の意志――帰属意識も混じるのだが――を抱かず収奪に働く傾向にあることが問題なのではないかと考えた。
 彼らに世界規模での共益を考え、そのように行動してもらわない事にはしんどい。

 それこそ宇宙観光旅行によって全球的な視野を確保することを期待しなければならないのかも――と余計に夢想的な期待に囚われてしまった。

データブック 貧困 (岩波ブックレット)
データブック 貧困 (岩波ブックレット)
西川 潤
カテゴリ:雑学 | 12:24 | comments(0) | trackbacks(0)

データブック人口 西川潤

 世界的な人口爆発と高齢化、ふたつの関連する問題について過去から未来への動向を通して概説をくわえるブックレット。伝統や感情などが現実の一部であり、大きく社会に反映されることを実感してしまった。
 けっきょくのところ、社会の進展に対して人間の感覚が追い付かなくなっているのがいろいろな原因をもたらしているわけで、最先端の人間だけでも全体の趨勢に影響を与えられるようになるほど社会システムが整ったことは良かったのか悪かったのか……全員最先端になればベストなんだけど実現性を考えると難しすぎる。

 高学歴化する人材に対してどうやって適当な雇用を与え続けるかも結構な難問だしなぁ…。いろいろと暗澹とした気分になったが、著者はライフスタイルを中心に希望を見出しもしている。これまでは社会制度の煽りをくらっていた弱者たちが、数的優勢を確保することで社会問題となって制度そのものの変革を迫る、逆襲戦が始まろうとしているのかもしれない。

データブック 人口 (岩波ブックレット)
データブック 人口 (岩波ブックレット)
西川 潤
カテゴリ:雑学 | 22:18 | comments(0) | trackbacks(0)

ふわふわの泉 野尻抱介

 空気よりも軽くて非常に強靭な夢の物質「ふわふわ」をひょんなことから発明した女子高生浅倉泉がそのふわふわした人生哲学から社会そのものを変革していく架空素材SF作品。
 その圧倒的な材質のよさもあって三年で社員八千人の規模に会社を拡大するなど、途方もない快進撃が楽しめる。しかし、流石に宇宙開発はとんとん拍子で進められる行為ではなく、ボスにふさわしい難易度になっていてよかった。この後の地球がどうなってしまうのか想像するだけでも変な笑いが止まらない。
 そもそも「ふわふわ」発見のエピソードにあまりにもお約束すぎる落雷をもってきている辺りからして冗談がすさまじいからなぁ……ギャグのような現象でもいつもの理知的に透き通った筆致で描かれているから余計に捻りが効いていた。

 ただ、地球外知的生命体「スター・フォッグ」とのファーストコンタクトが挿入されていたのは微妙に引っ掛かる――他の手段でもって、ストーリーを綺麗にまとめることができたはずだと考えてしまった。そりゃ、昶とのロマンスじゃ安直すぎるけど。
 まぁ、野尻抱介先生にとってファーストコンタクトが欠かせないテーマのひとつであることは分かるので、なんだかんだと織り込んでしまえばそれで勝ちなのかもしれない。霧子のキャラクターは卑怯というか、見事なディテールを与えられながらも私を含む「一部の層」にたまらんデザインになっていて大したものだ。
 ふわふわよりも彼女が数グラムほしい……。

 ファーストコンタクトより大きなテーマであった「アウトサイダー」の生きる場所について考えると、どこまで進んでもやがてはアウトサイダーにとって快適な環境ではなくなってしまい、フロンティアラインにしか存在し続けられないのではないかと暗い考えにも囚われた。それでも閉じた二次元の陸地や閉じた三次元(実質二次元)の空域ではなく、宇宙空間にまで乗り出せば生きられる場所は増えるかな?あまり「先端」までの距離ができてしまうと内部のアウトサイダーを末端に輸送する時間差やコストが問題になりそうなのは気がかりだが。
 スター・フォッグのライフスタイルが理想だけど、理想だけに実現不可能と作中で言われてしまっているのも厳しかった。だが、

 人類は、自分にとって幸福に思われるような生活をたがいに許す方が、他の人々が幸福と感ずるような生活を各人に強いるときよりも、得るところが一層多いのである。――J・S・ミル「自由論」より

野尻抱介作品感想記事一覧

ふわふわの泉 (ファミ通文庫)
ふわふわの泉 (ファミ通文庫)
野尻 抱介
カテゴリ:SF | 16:51 | comments(1) | trackbacks(0)

まんがの達人vol.6

まんがの道具の説明
 30cm定規:インクを滲ませたのはボールペンでもかなりの経験がある……ホント定規って汚れるんだよな。集中線を描く裏技が興味深かった。原稿を提供している人もミスの例までやらなければいけないから大変だ。
 自在曲線定規に妙な魅力を感じた。そういえば雲形定規のほうが先に紹介されていたなぁ――いかにもまんがらしいから?

女の子の顔を描く
 説明の文章にあきてきた。定型的な上にコピペが混じると全体の魅力も萎んでしまう。ホワイトはポスターカラーの白という選択肢もあるんだな。これが一番経済的か?

男の子の全身を描く
 シャツの袖をちょっと出すことで立体感を出すテクニックがおもしろい。まぁ、キャラクターを優先するためにできないこともあるだろうけど。ボタンがトーンで小さく見える視覚効果の例もよかった。

女の子の表情(笑い)を描く
 やっぱり表情があったほうが漫画の絵らしい。ガイド線があると怖いのはいつものことで要は慣れか。

効果的なまんがネーム(会話)の作り方
 例が……しゃーないな。手袋をはめる前に現場の不審物に触れちゃ駄目っすよ、必然性もなさそうだし。告白文はともかく恥ずかしいけれど、こういうのを真顔で分析できるようにならなければいけないんだろう。

まんがにネームを書いてみましょう
 イラストを描いた人としてはどんなイメージを持っていたのだろう。一枚目は親しいがラブのない友人、二枚目は同じチームでライバルタイプ、三枚目は兄妹にみえた。いろいろ頭の中で変えられるほうがいいのか?

まんがの基本は衣・食・住
 まんがフォーラムがいちばん読み応えがあって楽しいなぁ。私の読者としての方向性が歪んでいるせいもあり?お嬢様風で苦労人は典型例だが、イラストが魅力的でよかった。この辺はファンタジーなどだと普通の感覚を通用させると危険なだけに重要だ。

インターネットはまんが制作に有効か
 漫画ではないが、田中芳樹先生がマヴァール年代記を書くときに、参考書をわざと制限して書き出したみたいなことを言っていた。落とし穴は多いだろうが、応募要項などを調べるのには本当に役に立つはず。
カテゴリ:ハウツー | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0)

ニュートン1月号

NGK SCIENCE SITE
 おもしろいけど材料が多いな……同じものが結構あるので実際はそうでもないのだが、大仰な実験にみえた。紙がスピーカーになったり、炭がマイクになったり、竹の弓が強かったりフィラメントになったり、身近な素材も侮れない。

SIENCE SENSOR
 「豪雨」はふえているのか?:年変化に紛れ込むのを許さない結果がでているようす。
 二次的な防虫効果:農薬を使う必要性自体が減っていくのはいいことだけど、そのうち対応する種が生まれるのではないかと不安にもなる。
 鼻がきいたティラノサウルス:なんか古い情報に感じる。所十三先生が最新知見をとりあげているおかげ?恐竜をやるにはやっぱり北海道大学なのかな?
 宇宙の膨張をはかる:難しすぎてさっぱりわからんのに近かった。レーザーは天然の発生源を使うんだよな?
 乳製品はいつできた?:貯蔵に失敗すれば結構簡単にできるだろう。それを狙って生産するとなるとまた難しいかもしれないが。
 初期の太陽系を推理する:いったいどんな経路をたどったのやら…小惑星帯の起源が海王星以遠天体にあると考えちゃ成り立たないのかな。
 ウイルスがウイルスに感染!?:これはウイルスを退治するのに使えそうだと考えてしまう。けっきょくは、共生関係にあるようだが。
 地球最古の岩石を発見!:ラブラドル半島とは、意外と僻地度のひくいフィールドで……別に古い岩石が僻地を狙っているわけではないか。
 電気で磁気をあやつる:リアルタイムで使用しているのに時代遅れの印象を受ける機器、それが磁気ハードディスク!いっきに塗り替える方向性で働ける方法なのかな。
 敵にあわせた進化:こう相互関係は研究が難しそうだ。つきつめていくと非常に大事なことなのだが。
 90年前のウイルスの記憶:細胞の記憶力は脳にまさったりして……そういうのが相補的に働けば生物としても強くなれそうだ。
 ナノのカプセル:ダブルエマルジョン、響きななんかいいな。油滴ときくと電荷の実験を思い出す。
 聴覚障害の治療へ前進:今日もどこかでマウスが実験に供されている。それを意識した。

月面の“冷蔵庫”に氷はあるか?
 ちょっと残念な結果だが、まだまだ可能性が失われたわけではない。ハイビジョンカメラは地形を把握するのになかなかいい感じで使えるなぁ。研究者にも直感的な理解は必要だし、意外と頼りになる機材だ。

携帯電話のデータを悪用から守るには?
 しかし、データカードを抜かれてしまうとどうにもならないような……最初から狙って悪用してくる人間には日々の対策の方が役に立ちそうだ。

“原子のペン”で字を書いた!
 もはやドット絵の世界……新しい分子の作成は心踊るアイデアだ。錬金術に一歩一歩近づいている。

「波動」の正体
 万物は波動である、なんてピタゴラス的に悦にいってみる。あまりにも広がりが大きすぎて構成が散漫な印象だった。私が拾い読みで進めたせいかもしれないが。特集記事は基本的な事項を扱っているからこそ本当は熟読するべきなんだろうなぁ。基本的に娯楽として読んでいる私には難しいのだが。

火星に残る水と溶岩の“足跡”
 マーズ・エクスプレスのまるで空撮のような迫力をもった写真の数々に目を瞠った。ともかく鑑賞に耐える、という点では圧倒的なものがある。そういえば地球観測衛星でマーズ・エクスプレス並みの画像が得られる機体ってあるのかな?

連鎖する異常気象
 テレコネクションの単語が重要。風が吹けばおけ屋が儲かるだけではなく、繋がりの傾向がみえてきたことが大きな進歩なのだ。しかし、こうなると有効な観測を行っていくためには国際協力が不可欠極まるものになってくるな。地域安定はそういう点からも欠かせない。

5000年を生きる木
 森の雰囲気が日本と比べると相当異様で興味深かった。あれだけ生えていても気象そのものを大きく変えることはさすがに難しいようだ。それでも地形を支える役割はかなりはたしているはず。

“最初”の陸上脊椎動物 イクチオステガ
 有名な動物すぎてここで出てくるのが意外だ。構図や背景にかなりの工夫をこらして迫力にみせているが、基本的には間抜けな動物であることは否めない。まぁ、両生類だから。

ウルル・カタジェタ国立公園
 地形や地質はおもしろいが、生態系的にはさすがに大人しいようだ。それにしても「普通」の題材すぎないか。

地震の巣の原因は“プレートの破片”か
 なぜか関東は地震が多いというイメージはあまりなかった。伊豆や東北東海岸にはあるのだが。やっぱり断層と結びつけて考えすぎなのが原因かもしれない。そんな断層が目につかない地震の巣がもつ性質の話。

動植物を長期輸送する方法を発明した――ナサニエル・ウォード
 子供のころに似たような真似をプラスチックの箱でやったことを思い出した。自ら二酸化炭素を放つこともできる植物だから有効な方法なのだろう。クレメンツ・マーカムによるキナノキ密輸の冒険譚がおもしろかった。やっぱりワクワクしてしまう。

Newton (ニュートン) 2009年 01月号 [雑誌]
Newton (ニュートン) 2009年 01月号 [雑誌]
カテゴリ:科学全般 | 00:26 | comments(0) | trackbacks(0)
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